ビットコイン相場は逆三尊からの回復予兆 ファンダメンタル要因にも注目を
2021年7月28日 08:29
ビットコイン相場は7月26日、1BTC/400万円まで回復し、27日も400万円で底固めする流れを見せている。5月にテスラ社のイーロンマスクCEOの発言を契機に、ビットコイン相場は630万円台から320万円へと急落し、中国のマイニング規制もあって、これまで低迷を続けてきた相場だが、先週末以降は回復の兆しが見えてきた。
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ここで日足チャートを確認してもらいたい。5月19日と6月22日、そして7月20日とひと月間隔で320万円の底値を付けてきた。これは3点底・逆三尊底と言って底打ちのサインとなる。また、7月20日の底打ちから5日続伸する相場だが、トレンド判断で重要なテクニカル水準となる50日移動平均をも上抜けした。つまり、テクニカル的には『買いタイミング』を意味する。
テクニカル分析上の理由に加え、ファンダメンタルの面からもビットコインの価格上昇を示す要因がある。まず、中米のエルサルバドルは6月はじめにビットコインを法定通貨とする法案を可決した。ビットコインの将来性と通貨としてのシステム的優位性を考慮しての決断だ。高騰を継続するビットコインの保有は、将来の含み財産となる。ある意味ではギャンブル的な政策だが、ビットコインの実力を測る意味では大きな試金石となるだろう。
イーロン・マスク氏とアーク・インベストメント・マネジメントを率いるキャシー・ウッド氏、そしてツイッターとスクエアのジャック・ドーシーCEOの会合が21日に開かれたが、その席でマスク氏はテスラとともに、スペースXでもビットコインを保有していると公表した。
なお、どちらの会社もビットコインの売却予定はなく、テスラ購入をビットコインで再開する可能性にも言及した。会合では、ビットコイン肯定派のウッド氏も、今後の企業経営はビットコインをバランスシートに加える必要性を強調し、その意見にドーシー氏も賛同した。
なお、米アマゾンが年末までにビットコイン決済を検討中との報道がなされた。26日にはアマゾンがこの報道を否定したが、一方で22日にデジタル通貨とブロックチェーン製品関連の人材確保のための求人広告を掲載している点に、注目したい。
このように、ビットコインを取り巻く状況は『風雲急を告げる』と言えるだろう。資産運用は長期投資のスタンスが基本、今後の値動きは一喜一憂の様相を呈するだろうが、10年後を見据えて、個人投資家はこのタイミングでビットコイン保有を試みるのは一興だろう。(記事:TO・記事一覧を見る)