Gunosy、通期の営業利益は計画比143.2%と大幅増益 中長期に時価総額1,000億円を目指す

2021年7月16日 17:16

2021年5月期決算説明会および中期経営計画説明会

竹谷祐哉氏:2021年5月期の決算説明について、私からお話しします。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。よろしくお願いします。

エグゼクティブ・サマリーから始め、通期決算の概要、業績予想、各事業の概況の順にお話ししたいと思います。

2021年5月期 通期サマリー

まず最初に、エグゼクティブ・サマリーについてご説明します。2021年5月期の通期サマリーは、このようになっています。

通期の業績については、売上高は計画どおりで、営業利益は計画比に対して大幅増益となり、約143パーセントで着地しています。

その他のトピックスとして、「auサービスToday」の業績貢献や「グノシー」のMAUの下げ止まりによって、「Gunosy Ads」がQonQで大幅な増収となっています。加えて、ゲームエイトグループが、過去最高の四半期売上高を更新している状況です。

また、中期経営計画を策定し、発表しています。この後、会長の木村よりご説明します。

2021年5月期 第4四半期の連結業績

2021年5月期通期決算の概要です。2021年5月期第4四半期の連結業績からお話しします。

QonQで増収達成しています。「auサービスToday」の業績貢献が大きかったというところと、先ほどお話しした部分と重複しますが、「グノシー」のMAUの下げ止まりにより、「Gunosy Ads」が伸長しています。

QonQの営業利益については減益になっていますが、こちらはシンプルに「グノシー」の広告宣伝投資を再開しました。今後の再成長に向けた布石として、正しい宣伝投資の使い方だったのではないかと認識しています。

各種数値については記載のとおりですので、ご確認いただきたいと思います。

2021年5月期 連結業績

続いて、2021年5月期の連結業績です。「Gunosy Ads」「ゲームエイト」を中心に好調に推移し、計画比での増益を達成しています。

アクティブユーザー数(MAU)

次に、アクティブユーザー数のグラフです。今回から、新たに「auサービスToday」の数値が加算されるようになっており、第4四半期のMAUはQonQでプラス23パーセントと、大幅増加しています。

一方で、広告宣伝投資の再開によって、「グノシー」も足元では下げ止まっているような傾向になっています。このグラフで見ると、まだ「グノシー」が若干下がっているように見えるのですが、のちほどグラフでご紹介しますように、月次で見ると下げ止まりが確認できています。そのような意味合いも込めて、足元では下げ止まり傾向というかたちで記載しています。

売上高構成

売上高の構成です。先ほどからお話ししているとおり、「auサービスToday」の業績貢献が開始しているところと、「グノシー」のMAUの下げ止まりの2点がポジティブに作用して、「Gunosy Ads」が大幅増収となっています。

コスト構造の推移

コスト構造の推移についてです。こちらは、「グノシー」の投資再開に伴い、グラフの水色部分にあたる広告宣伝費のコストが増えています。

また、1番上のその他の部分のコストが増えていますが、こちらは「auサービスToday」の事業開始に伴う、レベニューシェアのコストの部分です。KDDIへのレベニューシェアのコストの計上が加わっていることが主要因となっており、健全なコストの増加だと認識しています。

ゲームエイト業績推移

続いて、「ゲームエイト」の業績推移です。売上高は、過去最高水準をキープしています。営業の減益については、業績好調に伴う期末賞与の支払いなどによる一時的な要因の影響となっており、特段問題があるという認識はありません。

2022年5月期 業績予想(連結)

今期、2022年5月期の業績予想です。新型コロナウイルスの影響について、今年1年間でどのような見通しになるのかを正確に判断するのは難しい部分があり、しっかりとわかる部分の範囲について開示していこうというスタンスで、上期のみの開示としています。

基本的には、ワクチン接種の進展等によって、新型コロナウイルスの影響は収束に向かっていくのではないかと考えています。無事に収束に向かっていく場合に、当社の下期以降の業績にポジティブに作用する可能性が高いと考えていますが、その部分について、しっかりと数値をお出しするところまでは難しいと判断しました。

上期の数字については、半期での赤字を見込んだ状態です。内容としては、主に広告宣伝投資を、前年同期比で4.8億円から4.9億円程度積み増す影響で、今期の上期は赤字というかたちで出しています。

業績予想の考え方

今のお話と重複する部分があるのですが、業績予想の考え方をこちらのスライドにまとめています。基本的には、新型コロナウイルス感染拡大の影響に一定の収束が見られた場合、不確実ながらも当社の広告売上高およびユーザーの継続率についてはポジティブな影響が出るのではないかと想定しています。

これらの影響をしっかりと見極めた上で、下期以降の「グノシー」への広告宣伝投資の水準の決定と、通期業績予想の算定を行っていきたいと考えています。

上記方針決定の背景については、下記に何点か記載しています。いくつか確認できている事実を書いていますが、各社のさまざまなニュースアプリの継続率を見ており、緊急事態宣言明け以降、現在までニュースアプリユーザーの継続率は下落傾向です。

そして、継続率下落については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるマクロ要因である可能性を想定しています。

なぜコロナ禍で継続率が下がるのかについては、各社でクーポンを使った訴求を通じて、ユーザー獲得をかなりしていた影響があり、なかなか外に出てクーポンを使う機会がないなどの理由から、継続率が落ちているのではないかと想定しています。

そのため、ワクチン接種の進展に伴って、上記の影響が収束に向かった場合に、広告収益や継続率に対してポジティブな影響が生じる可能性が高いのではないかと見込んでいます。

企業価値の最大化のためには、上記の影響を見極めた上で、合理的に「グノシー」への投資水準を決定すべきだと判断したというところが、上期のみ決算を出した背景になっています。

2021年5月期 Q4のメディア事業サマリー

各事業の概況に移ります。2021年5月期第4四半期のメディア事業のサマリーで、「グノシー」「ニュースパス」「auサービスToday」「ルクラ」を記載しています。

「グノシー」は、しっかりと再成長に向けた土壌、基盤が整った第4四半期だったと認識しています。第4四半期から再成長に向けた広告宣伝投資を再開している状態です。

KDDIとの協業事業の「ニュースパス」「auサービスToday」の大きなお話としては、「auサービスToday」を第4四半期の間にリリースし、「Gunosy Ads」への収益貢献がしっかりと確認できました。

グノシー再投資の状況

「グノシー」の再投資の状況です。スライド右側は「グノシー」のMAUの月別の推移です。

先ほど、MAUの全体推移のグラフでもお伝えしましたが、4月から5月のMAUは微増ではありますが増加に転じて、トレンドラインが明確に変わったことが足元で確認できています。

四半期単位で見ると、「第3四半期 vs 第4四半期」ではまだ減少傾向に見えてしまっていますが、月次の部分はしっかりと回復の向きに変わっている状態です。第4四半期の広告宣伝投資は、「グノシー」に対して約3億円の投資を行っています。

グノシー プロダクトアップデート

「グノシー」のプロダクトアップデートについてです。「グノシー」はリニューアルを行っています。主にトピックのトップ部分や、写真をメインにした新しい記事のレイアウトへの変更など、ユーザーに情報をわかりやすく届けるためのユーザーインタフェースの開発部分において、大きく進捗した四半期だったと認識しています。

auサービスToday

「auサービスToday」です。4月1日に「auサービスToday」をリニューアルリリースしました。ユーザーが順調に積み上がっている状況で、「Gunosy Ads」の大幅な増収への貢献を数字としてしっかり確認できました。

ゲームエイト

「ゲームエイト」です。既存事業の盤石化・新たな成長ドライバーの獲得に向けた投資を進行しています。

売上高は非常に高い水準で安定してきていますので、「ゲームエイト」のさらなる成長を作っていく部分の模索に対してリソースを比較的使っている状況です。スライドの内容は、そのようなことの一環になっています。

直近では、モバイルeスポーツアプリ「バトルドリーム」というサービスを運営しているArii社に対して、ゲームエイト社から出資したことを公表しました。

既存領域 アドネットワークの状況

アドネットワークは悪くない状況です。広告審査の高い品質をしっかり保ちながら、収益の部分に関しても改善しています。第4四半期はimp数およびCPMも堅調に推移している状態です。

新規領域 新規事業の動向 - YOU IN

新規事業の動向について簡単にお話しします。BtoC事業を行っており、「YOU IN」というお茶のサブスクリプションプランの販売を開始しています。

新規領域 投資事業

新規領域として、投資事業についてご説明します。GaragePreneurs社への追加の投資をクロージングし、潜在的な関連会社化を完了したことが大きなトピックとなっています。こちらは当社としては非常に重要な位置づけと考えており、将来的にGunosyグループの第3の収益の柱になることを期待した上で、大型の投資を実行しています。

以上で、決算説明について私からのお話を終了させていただければと思います。この後の中期経営計画については、代表取締役会長の木村からご説明させていただきたいと思います。

Gunosy グループ 事業ポートフォリオ

木村新司氏:代表取締役会長の木村でございます。よろしくお願いします。ただいまより、中期経営計画の発表をさせていただきたいと思います。

現状のGunosyの事業の構造をご説明します。Gunosyには、メディア事業、ゲームエイトグループの事業、投資事業の3つの事業があります。こちらの3つの事業プラス新規事業で中長期の成長を牽引していくように、全体のグループを構成しています。

取り組むべき課題

「長期目線の価値創りにフォーカスしてV字回復を目指す」とありますが、既存のメディア事業、「ゲームエイト」の事業に合わせて、投資事業と新規事業で成長ドライバーを作っていこうと考えています。

成長ドライバーとしては、もちろん社内の新規事業育成もありますが、社外からの成長を取り込んでいく部分にも注力していこうと考えています。事業部分では成長についてそのように考えていますが、それを支える組織、ブランドへの投資もしっかりと行っていこうと思います。

成⻑イメージ①

成長のイメージについての図です。これまでGunosyは、創業から「グノシー」「ゲームエイト」「ニュースパス」「Gunosy Capital」「auサービスToday」と、新しい事業を次々と展開してきました。これからは時価総額1,000億円を中長期の指針として、グループ全体での成長を目指したいと考えています。

特に、スライドに記載のブルー、イエロー、ピンクのラインのメディア事業を中心に、「ゲームエイト」と投資事業を成長させていくことを考えています。

中期の財務目標

中期の財務目標です。先ほど竹谷からお伝えしましたが、今回、中期の財務目標の数字は時価総額の部分だけとさせていただきます。

新型コロナウイルスはワクチン接種の進展に伴って収束に向かうと考えていますが、それに伴い、メディア事業の広告の出稿を拡大したり、ユーザーの継続率にポジティブな影響が出てくると予想していますので、いったんは上期の目標のみを開示させていただきます。

今後については、2022年5月期上期決算発表のタイミングを目標として、中期の財務目標を合理的に算定できる状況になり次第、速やかに開示していきたいと考えています。

社会のインフラとなるような、新しい時代のニュースメディアに育てる

次に、事業別の戦略です。「グノシー」の戦略ですが、これまで「グノシー」はニュースメディアとして拡大してきており、これからも同様に「社会のインフラとなるような、新しい時代のニュースメディアに育てあげていきたい」と考えています。

昨今、2018年くらいから、「グノシー」はエンタメ中心のメディアだと認識されている部分もあったかと思うのですが、やはりニュースメディアとして、新しい時代のニュースのスタンダードとなるようなポジションをきちんと作っていく必要があると考えており、昨期からメディア価値の向上に注力して、記事と広告の品質向上やユーザビリディの大幅な改善を行ってきました。

事業概況

事業概況です。価値ある情報提供に向けたリニューアルが完了し、再投資へのフェーズへ移行したと考えています。

昨年1年間は、ニュースの見出しを含めてUXの改善に取り組んできました。特に見出しに関しては、パッと見てわかりやすいデザインを考えています。ユーザーは、さまざまなソーシャルメディアやニュースアプリで時間を使っている部分もあるかもしれませんが、求めているのは、パッと見てすぐにニュースを消費できるところだと考えています。

ニュースアプリに求められるのは、いろいろな情報に触れなくても、すぐにニュースを知り、すぐに理解することができることなのだと我々は考えています。今後もそのニーズが存在し続け、人口の大部分の方がそのようなニュースの取得の仕方をしていきたいのだろうと考えており、その価値を追求していきたいと思っています。

戦略サマリー

その中で、「グノシー」の見た目や情報提供の部分を含めて、プロダクトの改善はほぼ完了したと考えています。投資対効果を見極めながら、広告宣伝について投資拡大していこうと考えています。

1年もしないうちにと考えてはいるのですが、コロナ禍が収束すると、ユーザーが外に出たり出社したりして隙間時間や空き時間ができるようになり、その時間にニュースアプリを使うようになると元に戻っていくと思っています。

元に戻っていくタイミングで大きく投資するまでは、継続率や滞在時間を長くできるように修正をかけていこうと考えています。

プロダクト戦略

プロダクト戦略としては、先ほどお話ししたとおりです。「Must-know」と「Want-to-know」のコンテンツ、つまり、知っておくと社会的価値の高い情報と知りたい情報に注力して進めていきたいと考えています。

もちろん、ニュースだけではなく、同時にクーポンや天気など、一般的にみなさまが必要だと思っている情報も提供していこうと考えています。

マーケティング戦略

社会的なインフラになっていく上で、取り組んでいかなくてはならないこととして、「グノシー」というアプリのイメージをよくしていく必要があると考えています。今回、ロゴを変更し、プロダクトの価値を最大化しながらメディアの規模を拡大しようと考えています。

そのための広告宣伝費を大量に使うことはできますが、その中でユーザーからのイメージや信頼感を醸成し、キープした上で拡大していくことが、今後の長期的な成長やユーザーの継続率に影響していくと思っており、これまでと違う「グノシー」を表現していく必要があると考えています。

セールス戦略

「グノシ-」の今後の売上戦略です。メディアが正常化し、ブランドの価値を上げていくことと同時に、ユーザー数の増加とともに新しい広告のフォーマットを提供していく必要があると思っています。

ユーザーはメディアに慣れてくると行動が少しずつ変わってきますので、フォーマットを少しずつ変えて、ネットワーク環境にも合わせたフォーマットを我々のほうで常に提供していくことを考えています。

KDDI社との連携を強化しauユーザーに圧倒的に支持されるサービスへ

KDDIサービスとの連携の部分についてご説明します。こちらの事業の目標としては、「KDDI社との連携を強化しauユーザーに圧倒的に支持されるサービスになること」です。

沿革①

22ページには、メディア事業のアクティブユーザーの棒グラフを記載しています。これまで「グノシー」のMAUが減少してきましたが、今回、前四半期で「auサービスToday」の運営を開始することによって大幅に増加しました。

グラフは「ニュースパス」と「auサービスToday」の合計になっていますが、今後どれくらい伸ばせるかを追求していく必要があると思っています。

全体戦略のサマリー①

そのためには、KDDIと協働で、auユーザーに圧倒的に支持されるアプリを目指していく必要があると考えています。現状の規模を考えると、auユーザー全体の利用を推進することで、拡大のポテンシャルが約5倍あると考えています。

ゲームのエコシステムをリストラクチャーする

「ゲームエイト」の目標は、「ゲームのエコシステムをリストラクチャーする」です。「ゲームエイト」の沿革を簡単にご説明します。2014年にスタートして、2021年には月間最大4,200万人が訪れる国内最大規模のゲーム攻略メディアになりました。

「グノシー」はどちらかと言うとコロナ禍で苦しんだのですが、「ゲームエイト」は逆にコロナ禍の需要をよく捉えて、グループの中では非常によい成績を収めてくれました。

沿革②

昨年の「ゲームエイト」の売上は16億1,800万円で、営業利益は4億9,700万円となり、Gunosyの売上の20パーセント程度を占めるサイズに成長しました。グループ加入後、高成長を継続しており、第2の柱として成長してきています。

全体戦略のサマリー②

今後の全体戦略のサマリーです。「ゲームエイト」の国内メディアの盤石化と同時に、すでに行っている海外事業の成長を考えています。

また、新規事業への投資を通じて高成長を持続させていくために、新たな成長ドライバーの獲得を考えています。

スライドの右の図をご覧いただくとおわかりのとおり、「01」は「ゲームエイト」がすでに実施している部分で、「02」は海外です。「ゲームエイト」が国内ですでに実施しているものの横展開を行っていきたいと考えています。

さらに、「ゲームエイト」が今まで行ったことはないが、ゲームのバリューチェーンの中で「ゲームエイト」がポジションを取れるところは成長ドライバーとして拡大していきたいと思っています。

成⻑イメージ②

成長のイメージは、スライドに記載のグラフのとおりに考えています。買収も含めながら、国内のメディアの成長の鈍化を補うかのように海外新規事業を展開して、中期経営計画期間で2倍以上の売上成長を考えています。

成⻑分野の発掘とイノベーションの支援を通して自社の成⻑と豊かな社会の実現に貢献する

先ほどご説明した①②③の3つ目のところです。Gunosy Capitalについてご説明します。「成長分野の発掘とイノベーションの支援を通して自社の成長と豊かな社会の実現に貢献したい」と考えています。

GunosyはこれまでにGunosy Capitalを通して投資してきましたが、メディア・広告の領域にとどまらず、国内外の成長を取り込むための取り組みを行ってきました。

沿革③

Gunosy Capitalの沿革です。2018年8月から事業を開始し、追加投資も含めて19本の投資を実行してきました。Gunosyグループのバランスシートのサイズは130億円くらいですが、そのうちの40億円くらいを使っており、累計の投資額としては40億円となります。

内訳を簡単にご説明します。40億円の半分の20億円程度をインドのsliceという会社に投資しており、将来的に関連会社になることを見越しています。

残りの20億円は2つに分けて投資しています。まず、案件ソーシングの為の投資としてインキュベイトファンドなど著名な国内のベンチャーキャピタルへのLP出資を実行しています。また、日本とインドの有望なスタートアップにGunosy Capitalから直接投資することで、案件の純投資を行っています。

全体戦略①

これら3つをどのように使い分けて投資しているのかをご説明します。純投資と戦略投資をうまく組み合わせて投資しているのですが、純投資はLP投資と直接投資を行っています。

IRRが高い部分にマイノリティの投資を行っていく中で、よい案件が見つかった場合は戦略投資を行います。今回の場合は、本体からsliceにも投資していますが、このような場合は戦略投資として大きく踏み込んでいくことを繰り返していこうと考えています。

本体の事業成長だけではなく、海外も含めて成長を取り込んでいけるように投資していきたいと思います。

「slice」への戦略投資

34ページでは、sliceに関して少し詳しくご説明します。急速に成長するインドのスタートアップです。みなさまもご存知のとおり、中国はこの10年、すごいスピードで成長しましたが、今後同じように成長するのはインドだと考えています。

その中でどのような会社に投資するのかと言いますと、メディア事業など、いわゆるIT系の事業は、インドという海外のリスクと事業リスクをかなり組み込むことになると考えているため、そのような事業ではなく、金融という社会のインフラとして必ず必要になるものにフォーカスして投資しています。

20億円という大きな投資ですが、まず小さく投資して、その次に3億円ほど投資して、最後に大きく投資するという3ステップに分けて、ステップ・バイ・ステップで投資してきました。

どのような事業を行っているのかと言いますと、大学生向けの少額与信の提供から始まり、デジタルクレジットカードのサービスを提供しています。

今後、クレジットカードは新興国において必ず拡大していき、さらには若年層向けで大きなボリュームゾーンになっていくのがわかっていますので、今後非常に早いペースで成長していくと考えています。

社会的インパクトのある事業の創造に継続的に挑戦し、新たな収益の柱を創出する

36ページからは、新規事業についてです。Gunosyの新規事業の目標として、「社会的インパクトのある事業の創造に継続的に挑戦し、新たな収益の柱を創出したい」と考えています。

全体戦略②

単に新規事業を作るだけではなく、Gunosyグループの強みを活かした挑戦を続けていこうと考えています。具体的に進めているのは、「YOU IN」「Guhack」です。

「YOU IN」に関しては、「ルクラ」という女性向けのメディアを通して得られた知見を利用しており、「Guhack」はGunosyがこれまでテレビCMをうってきた中で作られたノウハウを展開しています。これら以外にも同様に、新しい事業を周辺事業として作っていきたいと考えています。

社内外の優秀な人材が活躍・定着できる組織へ

組織戦略についてです。組織戦略の大きな目的としては、「社内外の優秀な人材が活躍・定着できる組織にすること」です。中長期的な企業価値を最大化するために優秀な人材に入っていただいて、その中で学んでいただき、持続的に成長していく仕組みを作っていきたいと考えています。

人事戦略の全体像

組織戦略としては2つあります。1つ目は人事戦略のプロジェクトで、「グノスタ」というものが動いています。

①⼈事戦略PJ (キャリア⽀援、教育制度)

簡単にご説明すると、人事戦略のプロジェクトなのですが、研修制度とキャリアデザインやキャリアサポートをバランスよく行っていく予定です。

特に、研修制度に関しては、Gunosyの中のビジネス部門のスキルをそれぞれ整理して、各スキルに合わせた研修をきちんと提供していくことで、Gunosyにいる中で、IT業界で学ぶべき必要な技術や知識、スキルを身に付けることができるものにして、キャリアデザインやキャリアサポートを提供していこうと考えています。

②グノスタ

また、「グノスタ」というものも提供しています。リモートワークを推奨し、「出社MIX」と記載しているように、リモートと出社をMIXさせた環境で、コロナ禍でも対応できるものになっています。

また、多様な働き方ができるように、リモート勤務を推奨することで、家族との時間が過ごせるような働き方もできるようにしていきたいと考えています。

②グノスタ(遠隔地)

フルリモートを導入して、通勤範囲も広くなりました。これまで都内に住まないとGunosyに出社できないのではないかというところもあったのですが、コロナ禍でほとんどの社員がリモートで働けるような環境を整え、首都圏だけではなく、さらに広い範囲で「出社MIX」の働き方ができるようなかたちを整えています。

ニューノーマルな社会における持続可能な成⻑の実現へ

「ニューノーマルな社会における持続可能な成長の実現へ」というところで、長期的な企業価値の最大化に向けて、社会にとって価値のある事業の提供や従業員への多様な働き方の推進などを含めて進めていく必要があると考えています。

SDGs/ESGへの取り組み事例①

昨年、特に情報配信最適化の弊害への対応に取り組んでいたのですが、背景として、デジタルメディアやSNSの大手プレイヤーを中心に、機械学習によるパーソナライズが強化されたところがあります。

フィルターバブルや、クリックベイトといった、記事に偏りがあったり、記事をクリックさせるために書かれた記事が存在しています。

メディアとしての存在意義や立ち位置を長期的に価値のあるものにするには、ユーザーの読んでいるものが偏ったり、覚えた内容や記憶の内容が偏ったりしないようにする必要があり、このようなものを取り除いていかなくてはならないと考えています。

その中で、Gunosyの取り組みとして、扇情的な記事が出ないようにしたり、「Must-know」のコンテンツを中心に見られるように推薦するような研究も進めています。

また、フィルターバブルおよび、クリックされればされるほどユーザーに推薦されるような仕組みでは、扇情的なものばかり出てきてしまいますので、そうではなくてもユーザーが読みたいと思うような記事を推薦できるようなアルゴリズムの研究に時間を使っています。

SDGs/ESGへの取り組み事例②

同時に、ユーザーや広告主が安心できる広告の体験も提供していきたいと考えています。広告掲載のポリシーは、法令に違反する広告のみならず、そもそもユーザーに不快感や嫌悪感を与えるおそれのある広告なども掲載しないことです。

昨年に定めたGunosyの広告ガイドラインに基づいて、コーポレート本部内の広告審査チームによる独立した審査を実行しており、業界トップ水準の厳格な広告審査を実施しています。

この部分に関しては、昨年大きな間違いをしたと考えており、今後もさらにメディアポリシーを厳しく持つことで業界をリードできるような立場となっていきたいと考えています。

SDGs/ESGへの取り組み事例③

また、取締役会の監督機能を強化しています。2021年5月期に、任意の報酬委員会を設置しました。これまで、取締役は男性ばかりでしたが、女性の独立社外取締役を選任予定です。また、任意の指名委員会の設置を検討しています。

以上で、中期経営計画の発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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