【特集】「01銘柄」は大回り2年余で底力を発揮して株価倍化も
2021年7月12日 13:48
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
今週の当特集が取り上げるのは、統合比率勘案の理論価格を上回り足元の今年に入ってこれまで年初来高値を更新した勝ち組銘柄で、なかでもこの高値水準でもなお低PER・PBR水準にある銘柄に注目した。株式統合ラッシュとなった800社超のなかから、このスクリーニング条件をクリアした銘柄を手作業で集計したところ、一部漏れがあるかもしれないが60社を数えた。コード番号の末尾が「01」を構成するかつての主力銘柄「01銘柄」が底力を発揮したケースから、プライム市場への昇格予備軍人気で比較的値保ちのよい東証2部株、JQ銘柄なども含まれバラエティに富んでいる。
■「株式統合銘柄の勝ち組銘柄でまず目立つのが「01銘柄」の底力
株式統合銘柄の勝ち組銘柄でまず目立つのが、「01銘柄」の底力である。日本郵船<9101>(東1)は、2018年8月末の株式統合(統合比率10株を1株に統合)権利付き最終値236円が、効力発生日にほぼ統合比率通りに2402円で寄り付いたが、今年6月30日に上場来高値5800円まで買われ、この間、株価は権利付き最終値に対して大回り2年余で実質2.45倍化した計算となる。とくに昨年3月のコロナ・ショック安で突っ込んだ理論価格の半値以下となる1091円の株価上昇は目覚ましく最高値まで5.3倍化した。同業他社2社と共同出資して設立した持分法適用会社のコンテナ船運航会社が好調に推移し、業績が上方修正に次ぐ上方修正となったことが要因となっており、最高値後は中国景気の不透明化の影響もありもみ合いとなっているが、兎に角PERはわずか2倍台の評価でしかない。
「01銘柄」では日立製作所<6501>(東1)が、理論価格より70%超上昇し、AGC<5201>(東1)も約53%高となった。このほか日経平均株価構成の主力銘柄では、荏原<6361>(東1)が98%高している。中型株では東京都競馬<9672>(東1)の2.26倍、岩谷産業<8088>(東1)の2.19倍、芝浦メカトロニクス<6590>(東1)の2.15倍、昭和電線ホールディングス<5805>(東1)の99%高、プリマハム<2281>(東1)の73%高などが目立ち、小型株ではグローブライド<7990>(東1)の3.49倍、菱友システムズ<4685>(東1)の2.49倍、日東富士製粉<2003>(東1)の2.20倍などが出色となっている。
■東証2部株、JQ株ではサプライズの7倍化銘柄も
東証2部株、JQ株でも、東証1部銘柄と遜色のなく大化けした銘柄が続いている。田岡化学工業<4113>(東2)は、前2021年3月期業績の相次ぐ上方修正と増配で今年1月に上場来高値1万9500円まで買い進まれ、株式統合の理論価格に対してサプライズの7.58倍の大化けを演じ、その後9800円安値まで調整したが、今年6月24日に発表した株式分割の権利取りで前週末9日は1万2000円台までリバウンドした。2部株ではこのほか岡本工作機械製作所<6125>(東2)の2.14倍、東洋刃物<5964>(東2)の83%高、萬世電機<7565>(東2)の81%高、JFEコンテイナー<5907>(東2)の64%高と続く。JQ銘柄では、テクノクオーツ<5217>(JQS)の4.64倍が圧倒的で、セフテック<7464>(JQS)が85%高、川崎地質<4673>(JQS)が41%高などとなっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)