ユーロ週間見通し:弱含みか、ユーロ圏鉱工業生産が売買材料に

2021年7月10日 14:30


*14:30JST ユーロ週間見通し:弱含みか、ユーロ圏鉱工業生産が売買材料に
■下げ渋り、米長期金利低下でユーロ売り縮小

今週のユーロ・ドルは下げ渋り。6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がタカ派的になるとの警戒感から、ユーロ・ドルは一時1.18ドルを下回った。しかし、米FOMC議事要旨を受けて連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和策の縮小を急がないとの見方が強まり、米長期金利は低下。週末前には欧米株高を意識したユーロ買い・米ドル売りが優勢となり、ユーロ・ドルは1.18ドル台後半まで戻した。取引レンジ:1.1782ドル-1.1895ドル。

■もみ合いか、ユーロ圏鉱工業生産が手掛かり材料に

来週のユーロ・ドルは、もみ合いか。直近で発表されたユーロ圏の主要経済指標は弱さが目立っており、7月14日発表のユーロ圏5月鉱工業生産が市場予想を下回った場合、域内景気の早期景気回復への期待は低下し、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りは縮小するとみられる。

予想レンジ:1.1780ドル−1.1980ドル

■弱含み、ECB金融緩和策の長期化観測でユーロ売り強まる

今週のユーロ・円は弱含み。一時129円台後半まで下落した。欧州中央銀行(ECB)が戦略点検でインフレ目標を2%に引き上げたため、金融緩和策の長期化が意識されたことや、東京都に4度目の緊急事態宣言の発出が決まったことなどから、新型コロナウイルス変異型感染拡大への懸念も広がり、リスク回避的なユーロ売り・円買いが強まった。取引レンジ:129円63銭−131円87銭。

■弱含みか、ユーロ圏鉱工業生産が売買材料に

来週のユーロ・円は弱含みか。7月14日発表のユーロ圏5月鉱工業生産が市場予想を下回った場合、域内経済のすみやかな回復への期待は低下し、リスク回避的なユーロ売り・円買いが強まる可能性がある。新型コロナウイルス・デルタ株のまん延も警戒され、ユーロ売りの支援材料に。一方、原油価格や株価、金利など相場が不安定化するなか、リスク回避の円買いがユーロを下押しする可能性も。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日:5月鉱工業生産(4月:前月比+0.8%)

予想レンジ:129円50銭−131円50銭《FA》

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