JR東、東京駅に高級シェアオフィス「STATION DESK 東京 premium」開業
2021年6月29日 07:29
JR東日本は28日、東京駅八重洲中央口にシェアオフィス「STATION DESK 東京 premium」を開業すると発表した。同社が2019年頃から事業展開を進めているシェアオフィス「STATION DESK」のハイグレード版という位置づけで、プレミアムシートや応接室を設置する。開業は2021年7月1日で、予約開始は6月30日18時を予定している。
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■STATION DESK 東京 premiumの概要
開業場所は、東京駅八重洲中央口から徒歩1分の立地で、VIEWのラウンジの一角にある。ゆったりとしたデスクスペースのあるプレミアムシートが8席、役員層や重要顧客などとの商談を想定した応接室が2室用意されている。利用者はウェルカムドリンクの提供が受けられる。個室ブースは7月中に2カ所設置予定という。
利用時にはSTATION WORKの専用WEBサイトから会員登録が必要で、個人・法人いずれでも会員になれる。基本料金はプレミアムシートが550円/15分、応接室が2,200円/15分だが、2022年3月末まではキャンペーン特別料金で約40%割引で使用できる(プレミアムシート330円・応接室1320円/15分)。
STATION WORKは、JR東日本が手掛けるシェアオフィス事業の総称。STATION DESKのほか、駅ナカに設置されるカプセル型個室ブースの「STATION BOOTH」、ホテルと提携して客室をシェアオフィスにする「ホテルシェアオフィス」、WeWork Japan等と連携して提供するシェアオフィスと、大きく4カテゴリある。
STATION WORKの事業展開は、JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」に基づいている。変革2027は、鉄道インフラ等を起点としたサービス提供から、生活の豊かさを起点とした新たな価値の提供を目指す、提供価値の転換を描いたもの。2018年の策定以降JR東日本では、Suica・JRE POINTの利活用やシェアオフィス・保育施設の設置など、生活サービスの事業拡大に取り組んできた。
しかし2021年1月、コロナ禍での鉄道利用減・業績悪化を受け、JR東日本は変革2027の見直しを行った。STATION WORKでは目標達成時期と目標値を変更。達成時期は2022年度から2025年度へ、シェアオフィス設置の目標値は累計30カ所を累計1,200カ所に見直した。人口減少や働き方の多様化、オンライン活用の進展等による鉄道需要減・新たな価値創造の必要性を以前から認識し、変革ビジョンを掲げていたJR東日本だったが、コロナ環境下で見直しを余儀なくされた形だ。
STATION WORKは、今回のSTATION DESKの開業で約200カ所体制となる。JR東日本は、2023年度にSTATION WORKを1,000カ所体制とすることを目指し、今後も拠点拡大を進めていくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)