中国・百度、自動運転EV「Apollo Moon」発表 低コストで生産へ
2021年6月22日 08:28
中国のIT大手Baidu(百度)は17日、中国国有の自動車大手BAIC Group(北京汽車)傘下の電気自動車(EV)メーカーARCFOX(極狐)と提携し、今後3年間で無人運転可能な自動運転シェアリングカー「Apollo Moon(アポロ・ムーン)」を1,000台生産すると発表した。1台あたりの生産コストは約48万元(約817万)になるという。
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Baiduといえば、中国の大手インターネット検索サイト「百度」で知られるが、2021年1月に中国の自動車メーカーGeely(吉利)の協力を得てEV製造会社を設立すると発表し、話題になった。
そして5月には、自動運転タクシーを北京オリンピックに向けて開発するため、北京の首鋼公園で無人自動運転サービスの体験を行っている。
ここまで早い開発には驚くしかないが、早いがゆえに安全面での懸念があるのも事実だ。だが中国のAIロボット技術の進歩は、日本では考えられないほど速い。これは国の政策の違いが大きい。
製品化して市場に出回った後は、失敗を繰り返しながらも改良され、完成形に近づけているのも中国スタイルといえるだろう。
そんな中国のEVの進化から目が離せないが、ついにレベル4の自動運転自動車が、800万円程度で量産できる体制が整ったわけだ。この価格は、ホンダが開発したレベル3のレジェンドが1,100万円であることを考えれば破格の安さといえる。
さて、この自動運転レベル4だが、国内ではトヨタが東京オリンピックでe-Paletteを発表する予定である。そして日産自動車とDeNAが自動運転タクシーによる新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を進めているが、いずれも市販化の話はまだない。
このように、国内でも主要メーカーが開発しているが、中国の開発するAIロボットカーに価格面では太刀打ちできないだろう。これはすでに電気自動車でも価格面で大きく負けていることからも容易に理解できる。
この他、世界各国でも自動運転レベル4の開発が進められており、そう遠くない未来に我々は身近にこれらのハイテクな乗り物に触れる日が来る。だがそこに国産車がどこまで普及するかは、現状では分からないだろう。
すでに実証実験から実用化へシフトし、2023年には3,000台の自動運転タクシーを普及させ、300万人のユーザーに対応する計画を立てているBaiduは、今後自動運転EVの分野において、大きく勢力を伸ばすことだろう。世界中で中国の格安なEVや自動運転車が幅を利かせることになるかもしれない。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)