【特集】「GARP」関連株:東証第2部の時価総額上位銘柄からスクリーニング
2021年6月21日 13:20
速成版「GARP」関連株として、東証2部市場の時価総額ランキング上位銘柄のうち割り負け銘柄をスクリーンングし、同様にJQ市場の時価総額上位の割り負け銘柄とともに注目した。
「GARP(Growth at reasonable price)」とは、米国市場ではグロース投資とバリュー投資の両方を取り入れ、各銘柄の業績成長を加味しつつ、なおかつ株価的な割安な銘柄を発掘する投資手法として知られている。このGARPの関連株は、本来「PEGレシオ」などのややこしい算出基準があるが、今週の当特集では、手っ取り早く東証第2部の時価総額上位銘柄からスクリーニングしてみた。
■好業績・低PERはもちろん多くが連続増配を予想し分割権利付き銘柄も
東証2部時価総額ランキングの上位銘柄から割り負け株をスクリーニングし、時価総額の大きい順に列挙するとMCJ<6670>(東2)、上村工業<4966>(東2)、中央自動車工業<8117>(東2)、ハイレックスコーポレーション<7279>(東2)、エスビー食品<2805>(東2)、日本ハウズイング<4781>(東2)、神鋼環境ソリューション<6299>(東2)が、ベスト・セブンとなる。このうちPERは、ハイレックスが9.5倍で最割安で、7位の日本ハウジングでも14倍台にしか過ぎない。PBRも、MCJの2倍のほかは1倍台となりハイレックスは0.4倍である。
このうちMCJの今3月期業績は、会計基準の変更を考慮すれば6期連続の過去最高更新となり、プレミアム市場への上場資格を充足していると観測されている。また多くが連続増配を予想し、上村工業は、今年6月30日を基準日に1株を2株に分割する株式分割の権利付きとなっている。
■一時年初来高値更新のJQ市場からも時価総額上位株から有資格株
JQ市場の時価総額上位銘柄で投資採算的に割安な銘柄は、やはり「GARP」条件を充足する。具体的に時価総額順にベスト7を上げると、フクダ電子<6960>(JQS)、沖縄セルラー電話<9436>(JQS)、エスケー化研<4628>(JQS)、フェローテックホールディングス<6890>(JQS)、GMOフィナンシャルホールディングス<7177>(JQS)、ナフコ<2790>(JQS)、フルヤ金属<7826>(JQS)が浮上する。PERはナフコが4倍台でもっとも割安で、第7位のエスケー化研でも15倍台とJQ全銘柄平均の22倍を大きく下回る。
このうちフェローテックは、東洋合成工業<4970>(JQS)などとともにプレミアム市場上場基準充足銘柄の一つに観測されており、また前週末18日にJQ市場から東証第1部に昇格して年初来高値を更新したメイコー<6787>(東1)の先行例もある。フクダ電子、エスケー化研、ナフコはそれぞれPBR1倍を割り、ナフコの配当利回りは2.81%に達する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)