武蔵野銀、 LGBT対応の住宅ローン開始へ 埼玉の金融機関では初
2021年6月19日 10:03
武蔵野銀行(埼玉県さいたま市)は7月1日から、LGBT対応の住宅ローンの取り扱いを開始する。同性パートナー2人での借り入れ(ペアローン)や、収入合算を可能にする。埼玉県の金融機関では初めての取り組みという。
LGBTへの社会的関心の高まりを受け、「LGBT特例」を開始する。同性パートナー同士でも、法律婚の夫婦と同様の対応が住宅ローン全般で受けられる。
利用条件は「合意契約」と「任意後見契約」を提出することだ。合意契約とは同居の上、生活に必要な費用を2人で分担することなどを明記した公正証書。任意後見契約は、本人が判断不能の状態になった時に、監護や財産の管理をあらかじめ付与する委任契約を示したものだ。
条件をクリアすれば、同性パートナーがそれぞれ住宅ローン契約を結び、相互に担保提供や連帯保証を行うことができる。また、一方が住宅ローンを組んで、それに対してもう一方が連帯保証を行うことで収入を合算。総額で住宅ローン審査を受けることも可能にした。
昨今、同性同士のカップルに、婚姻と同様の関係性であることを承認する「パートナーシップ制度」の導入が全国の自治体で拡大している。埼玉県下でも12市町が導入していることから、武蔵野銀行でも実態にあわせた住宅ローンを開発した。
共同生活を送る家族やパートナーの形は多様化しており、金融機関もこぞって対応商品やサービスをリリースしはじめた。
京葉銀行も6月10日から、LGBTに対応した住宅ローンの取り扱いを開始。同性同士の事実婚ペアが、住宅取得の際にローンを組みやすくした。
同行の場合は、指定の保証会社の保証と、自治体発行のパートナーシップ証明書などの提出を求める。自治体が制度を持っていない場合は、任意後見契約や合意契約の公正証書でもかまわない。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)