代替肉開発のネクストミーツ、10億円調達 製薬大手など複数企業から
2021年6月17日 17:11
代替肉の開発を行うスタートアップ企業のネクストミーツ(東京都新宿区)は16日、約10億円の資金調達を行ったと発表した。大手製薬企業など複数企業が出資した。各社との連携で研究体制を強化し、代替肉の原料や製品のクオリティを高める。
【こちらも】ネクストミーツ、イトーヨーカドーで代替肉を販売 原料は植物性タンパク質
食品用生産設備設計会社や海外向け物流ソリューション提供企業なども参画し、4月末時点で10億円を集めた。生産効率やサプライチェーンのクオリティ向上にもつなげる。代替肉市場で、世界的プラットフォーマーを目指すと言う。
同社は研究室に世界から各分野の博士を集め、遺伝子や微生物の研究、また植物性タンパク質の物性変化やファクトリーオートメ―ションなどの研究を行っている。代替肉市場で主流の大豆以外にも、代替タンパク質を幅広く研究する。
現在販売しているのは、世界初の焼肉用フェイクミート「NEXT焼肉」シリーズや、原料の全てが植物性の牛丼「NEXT牛丼」、鶏肉の代替品「NEXTチキン」など。イトーヨーカドーをはじめとしたスーパーマーケットなどで購入できるほか、外食チェーンでも提供されている。豊田通商とパートナーシップ契約を締結するなどして流通網をさらに拡大している。
グローバルな展開を見据え、現在10カ国にスタッフを常駐させ生産体制の構築も急ぐ。15日には、ベトナムでの生産・販売を本格化すると発表したばかりだ。台湾やシンガポールなどでもすでに販売しており、アメリカや欧州、中国でのリリースも準備中だ。
ネクストミーツは2017年に研究を開始。2020年6月に法人化したばかりのスタートアップ企業だが、2021年1月には同社が株式の97%を保有するNEXT MEATS HOLDINGSが、SPACスキームを使い米証券市場OTCBBに上場。時価総額が最高で40憶ドル(約4400億円)を超えたことから、史上最速で時価総額約4400億円をたたき出したユニコーン企業としても注目を浴びている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)