【編集長の視点】SANEIは連続最高業績・大幅増配を手掛かりに割安株買い再燃余地
2021年6月16日 08:09
【日本インタビュ新聞編集長・浅妻昭治】銘柄分析
SANEI<6230>(東2)は、今年6月1日につけた上場来高値4090円から高値もみ合いが続いており、14日は25日移動平均線で下値を試すダメ押しの売り物が出た。ただ同社の業績は、今2020年3月期純利益が、連続して過去最高を更新し、配当も大幅増配と予想されていることを見直し超割安株買いが再燃する余地がある。
6月20日には、10都道府県に再々発出されている緊急事態宣言の期限を迎えるが、同社の非接触型のセンサー水栓には、「ウイズ・コロナ」、「アフター・コロナ」のいずれでも新生活様式対応の関連需要が期待できることも買い評価されよう。
■玄関に手洗い所設置ニーズの高まりで自動水栓の需要押し上げ
同社の今2022年3月期業績は、売り上げ232億円(前期比4.1%増)、営業利益16億1200万円(同2.4%増)、経常利益15億3000万円(同2.3%増)、純利益11億円(同10.0%増)と増収増益が予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。新型コロナウイルス感染症の感染拡大とともに、感染予防のためにマスク着用とともに手指消毒が必須となり、同社の接触面積が少なくなるレバー水栓やセンサー付きの自動水栓の需要が高まっている。
このため同社は、生産能力を増強して需要拡大に対応しており、前2021年3月期業績は、昨年12月の新規株式公開(IPO)時予想を2回も上方修正しIPO時の減収減益予想が増収増益転換して着地した。今2022年3月期は、この手指消毒ニーズが、家のなかにコロナウイルスを持ち込まないために玄関にも手洗い所を設置するまでに拡大してきており、引き続き好調に推移して業績を押し上げる。
配当は、前2021年3月期業績が、期中の再上方修正値を上ぶれて着地したことから前期配当をIPO時予想の70円から75円(前々期実績45円)に引き上げるとともに、今2022年3月期は、年間90円に連続大幅増配を予定している。
■25日線で下値を試しPER7倍、PBR0.8倍の修正に再発進
株価は、昨年12月に公開価格2200円でIPOされ、3525円で初値をつけたあと4025円まで買い進まれ、IPO人気の反動で上場来安値2555円まで売られたが、新型コロナウイルス感染症関連株人気でリバウンド、今年4月の前期業績の再上方修正で3730円高値、今期業績の連続過去最高更新予想で3935円高値、3回目の緊急事態宣言の再延長で上場来高値4090円まで買われ、足元では下値抵抗線となっている25日移動平均線に下ヒゲを伸ばして下値を試す高値固めを続けてきた。PERは7倍台、PBRは0.80倍と超割安で、配当利回りも2.42%と東証2部全銘柄平均を上回っており、上場来高値奪回から上値チャレンジを続けよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)