今日の為替市場ポイント:米長期金利低下でドル買い抑制も
2021年6月9日 08:11
*08:11JST 今日の為替市場ポイント:米長期金利低下でドル買い抑制も
8日のドル・円は、東京市場では109円20銭から109円54銭まで反発。欧米市場では、109円56銭から109円28銭まで下落し、109円49銭で取引終了。本日9日のドル・円は主に109円台で推移か。米長期金利の低下を意識してリスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。
8日発表された5月NFIB中小企業楽観指数は99.6となり、市場予想に反して4月から0.2ポイント低下した。労働力不足とインフレ進行の懸念が指数低下の要因とみられている。また、米労働省が発表した4月雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は928.6万件で2000年の統計開始後で最高となった。経済制限措置が緩和されたことで企業による人材確保の動きが拡大している。転職活動も活発となっているようだ。
市場関係者の間からは、「労働力不足の状態はしばらく続く可能性が高い」との声が聞かれているが、「賃金上昇のペースは加速しない」との見方も多い。労働力の供給制約で雇用の伸びは抑制されているが、現時点でインフレ進行の懸念は高まっていない。ただし、労働力不足が短期間で解消されることは期待できないため、賃金動向については予断を持てない状況が続くとみられる。《FA》