イギリス英語のアクセントをドラマで学ぼう! おすすめ作品3選
2021年6月9日 07:46
広大な国土を有するアメリカと比べると、イギリスの国土面積は実に小さい。ところが、そこで話される英語は多種多様で、各地方、各階級にさまざまなアクセントが存在する。
【こちらも】英語多読初心者でも楽しめるロアルド・ダールの大人向け短編作品
イギリス英語のアクセントと言うと、外国人にとってはRP(Received Pronunciation、標準アクセント)が馴染み深いが、それ以外のアクセントを楽しく学びたい人のために、ここでは3つの映像作品を紹介したい。
■Estuary English(河口域英語)
Estuary Englishとは、ロンドンを中心に、テムズ川の河口周辺で広く使用されるアクセントである。上流階級の人たちが話す、いわゆるKing's(Queen's) Englishのようなポッシュ(posh)な英語ではなく、また、労働者階級の話すCockney(コックニー)でもない、いわばその中間層の人たちの使用する英語だ。イギリスの標準的なアクセントと言ってもよいだろう。
Estuary Englishを学ぶのにおすすめのドラマが、『The Office』である。リッキー・ジャーヴェイス主演のシチュエーション・コメディで、社会現象を巻き起こしたほどの大人気ドラマだ。のちにアメリカ版も制作されており、日本でも広く知られているので説明の必要はないだろう。Amazon Prime Videoでも配信されており、視聴しやすさの点でもおすすめだ。
■Cockney(コックニー)
Cockneyは、先ほど少し触れたように、ロンドン周辺(おもにイーストエンド)の労働者階級を中心に話されているアクセントである。柄の悪いイメージもあるが、これこそリアルな人たちが話すリアルなイギリス英語だと関心を寄せる人も少なくないだろう。
そんなCockneyを学ぶのにおすすめなのが、1981年からBBC Oneで放送されていたシットコム『Only Fools and Horses』だ。抱腹絶倒のコメディで、ギャグの連続、イギリス文化や言葉遊びなども学べる。英語初心者にいきなりこれは難しいが、イギリスのコメディに興味のある人にはぜひ見てもらいたい。残念ながら日本向けに商品化されていないようだが、DVDは格安で手に入るので、機会があればチャレンジしてみよう。
■West Country English(イングランド南西部英語)
West Country Englishはイングランド南西部で話されている英語だ。コーンウォール、デヴォン、ドーセット、グロスターシャーなどの州が該当する。「r」の発音などに特徴があるアクセントだ。
West Country Englishを学ぶのにおすすめなのが、BBCのシットコム『This Country』だ。グロスターシャーの田舎町に住む二人のいとこの日常生活を中心にしたモキュメンタリーで、2017年から2020年まで全3シーズンが放映された。基本コメディだが、若者にとっての地方生活の難しさなどリアルな部分もよく描けている。また、イングランド南西部の美しい街並みも見どころだ。
こちらも日本向けに配信などはないようだが、DVDは比較的簡単に手に入る。それに、3シーズン全19話なのでコンプリートも難しくない。ちなみに、2021年からアメリカでリメイクバージョンが始まる予定だ。
■まだまだたくさんあるイギリス英語のアクセント
今回はわずか3つしか紹介できなかったが、ほかにもイギリス英語にはさまざまなアクセントがある。それらを学ぶのに格好の映像作品は、また次の機会に紹介しよう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)