コロナ関連の破たん1518件に 緊急事態宣言等の地域に集中 東京商工リサーチ
2021年6月5日 16:17
東京商工リサーチは5日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が1週間で54件増え、累計で1,518件(負債1,000万円以上)に達したと発表。5月は124件が確認され、4月(154件)、3月(139件)に次ぐ3番目の多さで、4カ月連続での100件超となった。職場等へのワクチン接種が6月中には開始される予定で、正常化への期待が高まる。一方、コロナの影響が大きい事業者では外部借入が膨らんでおり、正常化後の事業継続に不安を抱える。
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東京都は4日、都内で新たに確認されたコロナ感染者数が前週の金曜日より142人少ない472人だったと発表。22日連続で前週の同じ曜日を下回った。重症患者数は5人減り、入院患者数も68人減った。4日までの1週間における新規感染者数の1日当り平均は455人で、前週の614人や前々週の649人から減少傾向が続く。
大阪府は4日、同様に189人が確認されたと発表。新たな重症者は9人で、入院中の患者は200人を下回った。一方、新たに22人の死亡が確認された。新型コロナ患者の搬送にも携わっていた大阪市消防局の救急隊員が、コロナ感染で死亡する悲しいニュースが伝わり、改めて外出自粛の重要性を再認識させられる。
欧米などで感染抑制に効果が出ているワクチンについて、日本では6月21日より職場や大学での接種が始まる。従業員1,000人以上で専属の産業医がいる大企業で先行し行う。中小企業は商工会議所や業界団体などを通し複数企業での共同実施が予定される。大手各社では目下、社内で不公平感が生じないよう接種を受ける社員の優先順位の決め方に課題を感じている。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間5日午前9時時点で1億7,240万人超、死者数は370万人を超えた。国別の最多は米国の3,334万人超、次いでインドが2,857万人、ブラジルが1,684万人。以下、フランス576万人、トルコ527万人、ロシア504万人、イギリス452万人と続く。
ワクチン接種の進むイギリスは1日、コロナによる死者が昨年3月以来初めてゼロだったと発表。一方インドでは、1日当りの新規感染者数はピーク時から大きく下がり13万人程度となったが、死者数は3,000人台といまだに高い水準。日本でもインド型変異ウイルスの感染が首都圏を中心に各地で確認されており、厚生労働省は早期発見に向けた検査体制の強化を進めている。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、4日時点で1,518件に達したと発表。破たん企業が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで1万7,765人。
破たんの発生は、東京都366件、大阪府155件、神奈川県79件、愛知県73件、北海道63件と緊急事態宣言や「まん防」の対象地域に集中。業種別でも飲食関連、建設業、小売業、宿泊業が特に多い。ワクチンの接種が始まり正常化への期待が高まる一方、これら事業者の多くは下落した売上を補うため外部からの借入を増やし続けている。過剰債務に対し正常化後の事業継続へ不安を感じる事業者の諦め型破たんの発生は、しばらく続くものと思われる。(記事:dailyst・記事一覧を見る)