美容室、来店周期「3~6カ月」と長期化 客単価も「5000円未満」が7割超
2021年5月19日 09:12
新型コロナ感染症の影響で個人消費・サービス関連業種は低迷し続けている。飲食業や観光業などがその代表だが、こうした直接需要が消失した業種の他にも自粛ムードの中で客足が遠のいた業種も少なくない。その一つが美容室だ。美容業界では外出自粛ムードの中、来店頻度が減少するとともに、1回当たりの利用金額も落ち込み傾向にあり、ウイズコロナ下での需要に見合った様々な取り組みが必要とされている。
こうした状況の中で、美容師の求人・転職サイト「ビューティーキャリア」を運営するゲインが、4月上旬に1都3県在住の200名を対象に「コロナ前後で美容室を利用するお客様のニーズはどう変化したのか」をテーマに調査を実施し、5月13日にその集計レポートを公表している。レポートによれば、「コロナ前後で美容室に通う頻度に変化はあったか」という質問に対して、「あった」と答えた者の割合が47%となっている。頻度についてコロナ前後で比較すると、コロナ前に「月に1回」が25%、「2カ月~3カ月に1回」が58%、合計83%であったものが、コロナ後には「月に1回」が6%、「2カ月~3カ月に1回」が22%、合計28%と来店頻度が大きく減少している。変わって「3カ月~6カ月」がコロナ前16%からコロナ後41%へ、「6カ月以上」がコロナ前1%、コロナ後31%と来店周期の長期化が鮮明だ。
1回の来店で利用する費用については、コロナ前では「3000円以下」7%、「3000円~5000円」25%、合計32%だったが、コロナ後では「3000円以下」28%、「3000円~5000円」44%、合計72%と40%も増え7割超が5000円未満となっている。コロナ前に最も多かった「5000円~15000円」34%がコロナ後は23%まで減少しており節約志向が鮮明だ。コロナ前は「カットのみ」は2%だったがコロナ後では75%となっており、理由は「できるだけ早く店から出たいから」など感染予防を意識しているようだ。
「コロナ後にあるとよいと感じたサービス」について顧客に聞いた結果では、「一切話しかけないメニュー」、「短時間コースのメニュー」、「待機時間を短くしたいので、アプリで予約できるシステム」などがあげられている。この他、ウェブ会議システムを利用したカット指導サービスなどがレポートでは提案されている。コロナ前後をきっかけに働き方やライフスタイルが変わり、顧客のニーズも変化している。レポートは「店舗運営も変化するニーズに合わせて見直していくことが大切」としている。(編集担当:久保田雄城)