LITALICO、日ケミコン、極東貿易など/本日の注目個別銘柄

2021年5月11日 15:49


<3632> グリー 624 +38大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表、1-3月期営業利益は17億円で前年同期比39.3%増となり、前四半期3割超の減益から増益に転じている。市場コンセンサスも5億円超上回ったとみられ、ストレートにポジティブな反応となっている。固定費抑制が進んだほか、新作スマホゲームである「アサルトリリィ Last Bullet」が好調な立ち上がりとなったことも寄与したようだ。

<5301> 東海カーボ 1701 -215大幅反落。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は40.8億円で前年同期比39.6%減益となっている。市場コンセンサスを10億円強上回っており、上半期計画に対する進捗率も88.6%に達している。決算内容はポジティブと受けとめられるものの、業績上振れ期待から足元の株価は堅調推移となっており、本日は全体相場の地合い悪化もあって、目先の出尽くし感が先行する形のようだ。

<7615> 京都友禅 286 +19大幅続伸。前日に21年3月期の決算を発表、先の上方修正通り、営業利益は0.6億円で前期比4.4億円の損益改善となった。22年3月期は3.2億円で同5.1倍と大幅増益の見通し。デジタルマーケティングの強化、商品・催事機会の拡充などを積極化することで、振袖セット、一般呉服・宝飾等の販売拡大を見込んでいる。引き続き新型コロナ感染の影響が警戒される中、想定以上のガイダンスがポジティブなインパクトにも。

<4921> ファンケル 3245 -295大幅反落。前日に21年3月期決算を発表、営業利益は116億円で前期比18.0%減、1-3月期は前年同期比74.8%増と大幅増益になったが、市場想定はやや下回った。22年3月期は120億円で前期比3.7%増益を見込み、コンセンサスを20億円強下回っている。人件費や償却費の増加が収益伸び悩みの背景に。中期計画で示した24年3月期営業利益150億円も、保守的な前提ながら市場の期待値を下回るものに。

<6703> OKI 1066 -131大幅反落。前日に21年3月期の決算を発表、営業利益は95億円で前期比43.5%減益となった。4月22日に会社側で業績上方修正を発表済み。一方、22年3月期は120億円で同26.2%増益の見通し。中期計画では23年3月期営業利益200億円を見込んでおり、今期の増益幅は想定以上に限定的との見方になっているもよう。構造改革費用の計上継続から、純利益が低水準にとどまる見通しであることもネガティブ視。

<7366> LITALICO 5140 +520大幅続伸。野村證券では投資判断を新規に「バイ」、目標株価を6400円としている。障害福祉領域のDXをけん引する仕込みを整え、今後飛躍期を迎えると評価している。新規連結子会社の福祉ソフトを介して、全国の福祉事業者への営業が強化されるほか、同社の経営支援サービス、発達ナビ・仕事ナビなどのクロスセルの機会の増大により、業績の拡大が見込めると判断しているもよう。

<2802> 味の素 2410 +87.5大幅続伸。前日に21年3月期決算を発表、事業利益は1131億円で前期比14.0%増、従来予想の1100億円をやや上回った。22年3月期は1150億円で同1.6%増を見込み、配当金も前期比2円増と連続増配を計画する。連続で過去最高益を更新する見通しだが、保守的な計画との見方も強い。また、発行済み株式数の4.55%に当たる2500万株、400億円を上限とする自己株式の取得実施を発表したことも好感。

<8093> 極東貿易 1707 +300ストップ高比例配分。前日に21年3月期決算を発表、営業利益は3.6億円で前期比58.7%減となり、従来予想の3億円を上振れた。一方、22年3月期は8.5億円で同2.3倍の水準を見込み、想定以上の大幅増益見通しとなる形に。また、今期は特別配当として75円を実施、年間配当金は前期比85円増の145円としている。前日終値をベースにすると配当利回りは10%超の水準となり、インパクトが強まったようだ。

<6997> 日ケミコン 2077 +309大幅続伸。前日に21年3月期の決算を発表、営業利益は29.7億円で前年同期比58.6億円の損益改善となった。ほぼ従来予想線上での着地になった。一方、22年3月期は62億円で同2.1倍の見通し。新製品や生産性改善などにより、粗利益の拡大を見込んでいるもよう。想定以上の大幅増益見通しを好感する動きが優勢に。野村證券では構造改革の進展を評価して、目標株価を1900円から2100円に引き上げている。

<6752> パナソニック 1215.5 -75大幅反落。前日に21年3月期決算を発表、営業益は2586億円で前期比12.0%減、ほぼ市場想定線とみられるが、1-3月期は前年同期比40.1%減と減益幅が広がった。22年3月期は3300億円で前期比27.6%増を見込み、市場想定はやや下回る水準に。決算数値に大きなサプライズは乏しいものの、オートモーティブの見通しが期待値を下回ることなどがマイナス視された。本日は地合いの悪化にも押された形に。《ST》

関連記事

最新記事