映画『HOKUSAI』阿部寛演じる蔦屋重三郎の“超ポジティブ”本編映像解禁
2021年5月8日 16:39
2021年5月28日(金)に全国公開を迎える映画『HOKUSAI』より、新たな本編映像が解禁された。阿部寛演じる蔦屋重三郎の、ピンチをチャンスと捉える超ポジティブな名言が胸を打つ。
■江戸時代の名プロデューサー?蔦屋重三郎とは
蔦屋重三郎は、江戸時代に絵や本の版元(出版業者)をしていた人物で、出版販売も行う小売店「耕書堂」の店主。喜多川歌麿、東洲斎写楽をはじめとする数々の名絵師をこの世に輩出した、現代で言う“名プロデューサー”だ。葛飾北斎の才能も早くから見抜いていた。
レンタルビデオ・書店大手企業である“TSUTAYA”は、彼の名プロデューサーぶりにあやかって名付けられたとも言われている。
■蔦屋重三郎の超ポジティブ名言シーン
今回解禁された本編映像では、自由な表現を制圧する江戸幕府によって「耕書堂」の店内が荒らされたシーンが登場。無情にも汚された作品が散乱する中、重三郎は「全くありがてえもんだ、出る杭は打たれるってな。つまりうちが江戸で頭一つ抜けた版元だってお墨付きを貰えたってことだ」と呟く。
さらに、「こいつは恵の雨ってもんよ。これで江戸中がうちの出方に目凝らしやがる。種を植えるには、またとねぇ折ってことよ」と、この状況を喜ぶかのようなセリフまで言い放つ。その目には、一切の揺るぎがない。
橋本一監督が、自身が出演したラジオ番組にて、「期せずしてですが、コロナで大きな打撃を受けている現代やそれを取り巻く状況において、”負けてはいけない”という強い心は不変であり、何度でも立ち上がれるのが人間だ、というメッセージを強く込めました」と、本作への思いを語っているが、そのメッセージがこのシーンからも伝わってくる。立ちはだかる逆境をチャンスと捉えるポジティブ思考と熱い決意は、現代の人々の背中を押してくれるに違いない。
■葛飾北斎の知られざる人生を描く、映画『HOKUSAI』
19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、モネ、ゴッホなどの数々のアーティストに影響を与えた江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎。世界で最も有名な日本人と言われ、米LIFE誌“この1,000年で偉大な功績を残した100人”にも唯一の日本人として選ばれている。
そんな北斎は約90年の生涯で3万点以上の作品を描いたが、若き日の北斎に関する情報は少ない。本作は、歴史的資料を繋ぎ合わせたオリジナル・ストーリー。今までほとんど語られなかった青年期も含め、孤高の天才絵師である彼の生き様が描かれる。
若くして蔦屋重三郎に才能を見出されるも、歌麿、写楽などのライバルに先を越される北斎。どんなに打ちのめされようとも諦めず、自分を信じて絵を描き続けた人生の先で、彼が見つけたものとは……?
(記事:ヤスダ ユウカ・記事一覧を見る)