世界ラリー選手権第3戦、チーム・トヨタのヤリスWRCがワン・ツー・フィニッシュ
2021年4月28日 08:34
2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーの最終日が、4月25日に首都ザグレブのサービスパークを基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)が優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位でフィニッシュした。
クロアチア・ラリーの最終日は、サービスパークの北側で2本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は78.58kmだ。
最終日もザグレブ周辺は好天に恵まれ、ドライコンディションでの戦いとなった。最終日は首位のオジエを総合2位のエバンスが6.9秒差で、総合3位のライバルチームのヒュンダイi20 WRC(ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ 組)が10.4秒差で追う状況でスタートした。
最初の2本のステージはエバンスが連続でベストタイムを記録し、リエゾン(移動区間)でのロードアクシデントでクルマの右サイドと空力パーツにダメージを負ったオジエを抜き首位に立った。アクシデントでは負傷者がなかったため、オジエは競技を続行した。2台のタイム差は最終ステージ前の時点で3.9秒、オジエと総合3位のライバルは4.1秒差となっていた。
迎えた最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とチームにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」だ。
エバンスよりも先にスタートしたオジエは、渾身のアタックでその時点で最速のタイムを刻み、エバンスのアタックを待つ。エバンスは最後のセクションまで首位を守れる速いペースで走行していたが、フィニッシュ付近のコーナーで痛恨のタイムロス。ベストタイムのオジエから4.5秒遅れの4番手タイムでステージを走り終え、僅か0.6秒差で総合2位となった。
結果、オジエが最終ステージで逆転、開幕戦モンテカルロ以来となる今季2勝目を獲得した。0.6秒というタイム差は、WRC史上3番目の僅差だった。
オジエはパワーステージを制し、最大のボーナスポイント、5ポイントを獲得。ドライバー選手権で首位に復帰した。また、エバンスはドライバー選手権で単独3位に。今回、オジエとエバンスが1-2フィニッシュを飾ったことで、チームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルチームとの差を27ポイントに拡大した。
なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、安定した走りで最終日の4ステージを走行。前日よりもひとつ順位を上げ、開幕から3戦連続となる総合6位でフィニッシュした。(編集担当:吉田恒)