ソーバルはモミ合い上放れの動き、22年2月期増収・大幅営業増益予想
2021年4月19日 08:43
ソーバル<2186>(JQ)は組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開し、重点施策として請負拡大による高収益化や新規技術分野の開拓を推進している。21年2月期減収減益だが各利益は計画超で着地した。22年2月期は既存顧客との取引規模拡大や新規顧客開拓などで増収・大幅営業増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開
組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ独立系組み込みソフト開発企業で、優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築していることも特徴だ。
21年2月期の顧客別売上構成比はソニーグループが28.5%、キヤノングループが13.4%、富士通グループが12.4%、リクルートグループが4.4%、日立グループが4.1%、トヨタグループが3.5%、NTTグループが2.9%、その他が30.8%だった。キヤノングループとの取引が減少した一方で、ソニーグループ、リクルートグループ、トヨタグループとの取引が増加して構成比も上昇した。
契約種別では請負比率が20年2月期比13.3ポイント上昇して72.8%となった。21年2月期については派遣業務縮小の影響が大きいとしている。新規顧客開拓時には派遣契約から入ることもあり、22年2月期は揺り戻しの可能性もある。引き続き請負業務受注拡大に努め、請負比率70%~80%を目指すとしている。
■請負拡大による高収益化を推進
成長に向けた重点施策として、請負業務拡大による収益構造の転換、優良顧客からの継続受注、顧客や分野の多様化、自動車・AI・IoTなど新規技術分野の開拓、部門間のクロスセル体制強化、プロジェクト管理体制強化による不採算化抑制、人材の採用・教育など人材投資の強化、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的なリレーション構築の強化、アライアンスによる新規分野収益案件の獲得などを推進している。
■21年2月期は減益だが計画超で着地、22年2月期は大幅営業増益予想
21年2月期の連結業績は、売上高が20年2月期比9.7%減の75億31百万円、営業利益が60.3%減の2億51百万円、経常利益が13.7%減の5億57百万円、親会社株主帰属当期純利益が13.2%減の3億78百万円だった。配当は2円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)とした。
新型コロナウイルスの影響による主要顧客からの業務縮小で減収減益だった。ただしコスト削減効果、雇用調整助成金の期間延長などで、各利益は従来予想を上回って着地した。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高18億87百万円で営業利益1億42百万円、第2四半期は売上高17億58百万円で営業利益0百万円、第3四半期は売上高19億04百万円で営業利益39百万円、第4四半期は売上高19億82百万円で営業利益70百万円だった。
22年2月期の連結業績予想は、売上高が21年2月期比7.5%増の81億円、営業利益が130.4%増の5億80百万円、経常利益が7.6%増の6億円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%減の3億76百万円としている。配当予想は記念配当を実施し、1円増配の33円(第2四半期末16円、期末17円=普通配当16円+40周年記念配当1円)としている。連続増配となる。
既存顧客との取引規模拡大や新規顧客開拓などで増収・大幅営業増益予想としている。高採算が見込める顧客・技術分野の開拓も継続する方針だ。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年8月末の株主対象
株主優待制度は、毎年8月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価はモミ合い上放れの動き
株価は下値固め完了してモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。4月16日の終値は990円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円79銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS409円71銭で算出)は約2.4倍、時価総額は約81億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)