コロナ関連の破たん1287件に 東京や大阪で諦め型の倒産が増加 東京商工リサーチ
2021年4月17日 16:52
東京商工リサーチは16日、新型コロナウイルス感染拡大が原因で経営破たんした国内事業者数が、1週間で30件増え、累計で1,287件(負債1,000万円以上)に達したと発表。4月は16日時点で既に90件が確認され、3カ月連続で過去最多を更新する可能性がある。「まん延防止等重点措置」の適用地域が増えるものの感染抑制にはまだ効果が見えない。国内のワクチン普及まで相当な時間が要すると見られる中、東京や大阪を中心に諦め型の倒産が続く。
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東京都は17日、都内で確認されたコロナ新規感染者数が759人だったと発表。5日連続で500人を超え、前週の土曜日を189人上回った。17日までの1週間における1日当り平均は569人で、前週の458人や前々週の383人から増加。2回目の緊急事態宣言が解除されて以降、顕著に増えている。
政府は16日、「まん延防止等重点措置」を埼玉、千葉、神奈川、愛知にも適用することを決めた。いずれも20日に適用が始まり、5月11日までを対象期間とする。大型連休での人の往来を抑制する狙いがある。埼玉県はさいたま市と川口市を、千葉県は船橋市や市川市等を、神奈川県は横浜市、川崎市等を、愛知県は名古屋市をそれぞれ対象地域とする。
先行して「まん延防止等重点措置」が適用された大阪府では、大阪市の繁華街における夜の人出が適用前と比べ減少した。感染対策の状況をチェックする市の見回り隊の訪問活動により、時短営業を徹底する飲食店が増えたことが大きい。
一方、大阪府の新規感染者数は4日連続で1,000人を超え、16日には過去最多の1,209人に達するなど、感染拡大の勢いは止まらない。府の調査によれば、直近数日の感染者のうち約8割が感染力の強い変異型だった。変異型は重症化率も高く、大阪府が確保した重症者向けの病床は既に空きがほぼない。大阪府は目下、近隣県へ患者の受け入れなどを要請しているとのことで、感染拡大スピードを抑えるための更なる対策が求められる。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間17日午後4時時点で1億3,995万人超、死者数は299万人を超えた。国別の最多は米国の3,157万人超、次いでインドが1,452万人、ブラジルが1,383万人。以下、フランス528万人、ロシア463万人、イギリス439万人、トルコ415万人、イタリア384万人と続く。インドでは1日当りの新規感染者数が過去最多の20万人を記録、一方でワクチンの普及が進むイギリスは感染スピードが大幅に落ちた。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、16日16:00時点で1,287件に達したと発表。このうち1,211件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。破たん企業が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで1万6,532人。
地域別では、東京都が301件と最も多く、以下、大阪府130件、神奈川県63件、北海道58件、愛知県57件が続く。東京都と大阪府だけで全体の3分の1を占める。2度の緊急事態宣言に加え、今回の「まん延防止等重点措置」の適用により、飲食関連を中心に再建を目指さない破産での倒産が増えている。(記事:dailyst・記事一覧を見る)