北海道地盤のアークス、栃木のスーパー・オータニを傘下に 関東へ進出
2021年4月14日 16:18
北海道を地盤とするスーパーグループのアークスは14日、栃木県に本拠を置くスーパーのオータニと経営統合し、傘下に収めた。これにより、アークスグループの店舗数は375となり、北海道、東北地方に続いて関東地方に販売網を広げることになった。
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アークスは2020年11月にオータニと経営統合に向けた基本合意書を締結しているが、3月に株式譲渡契約書を結び、その効力が14日に発生。オータニはアークスの100%子会社となり、アークスグループ入りした。アークスの横山清社長が代表取締役相談役、佐川広幸常勤監査役が監査役に、それぞれ就任した。
オータニの100%子会社で、小松菜の栽培、保険事業などを進めるバックスプランニングは、農業事業子会社として存続する予定。バックスプランニングの保険事業は7月をめどにアークスの子会社で、ホームセンターなどを運営するエルディに移管する。
オータニのグループ入りにより、アークスグループの店舗は北海道220、青森県38、秋田県1、宮城県17、栃木県30、埼玉県1となった。
食品スーパー業界は、消費税引き上げの影響や、全国大手のスーパーやドラッグストアとの競争により、経営の厳しさが増す中、新型コロナウイルスの感染拡大により、先行きを予測しづらい状況に陥った。特に地方に本拠を置く企業は人口減少と高齢化の進行が大きな不安要因になっている。
このため、アークスは地方の企業が連携して全国大手に対抗するとともに、商品調達力や店舗運営力の強化を図って顧客の確保を目指してきた。今回の経営統合もその一環で、今後は北海道から東北、関東地方という東日本全体を販売網とするグループとして、より一層の営業基盤強化と地域経済への貢献を進める。(記事:高田泰・記事一覧を見る)