S&P500が最高値更新 その背景は?
2021年4月13日 17:32
●S&P500が最高値
S&P500が4月1日、史上最高値を更新し、4000を突破した。4月に入り、4000台をキープしており、12日には4131.76まで上昇した。
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米国バイデン大統領がワクチン接種目標を倍に引き上げたことや、大半の銀行の増配制限を6月で終了することなどが好感されたと見られる。
3月からS&P500は強かったが、4月に発表された3月の非製造業総合景況指数も好調で、米国のコロナ禍からの立ち直りの順調さが顕著となっている。
●S&P500とは?
S&Pとはスタンドダード&プアーズの頭文字で、世界大手の格付け機関である。
S&P500は、元々ダウ平均とは別会社で算出していたが、2012年7月に統合し現在はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している。
NY証券取引所、NYSE American、NASDAQに上場している大手企業の500社で構成されており、1941年~1943年までの平均指数を10として計算している。つまり現在はその時から400倍ということになる。
条件は厳しく、米国企業であることに加え、時価総額が一定で61億ドル(6700億円)以上や、浮動株50%以上、4四半期連続黒字などがある。
日本企業の規模なら、日本マクドナルドホールディングス(4月13日現在時価総額225位)くらいまでが、上場できる条件と考えればいいだろう。
●最高値になった背景
最高値を更新した背景はいくつか考えられる。
先ずはハイテク株の好調さだ。オラクルがアルファベット子会社グーグルに起こしていた、プログラミング言語に関する著作権を侵害されたとする訴訟で、グーグルが勝訴したことにより、アルファベットの株価が好調に推移。GAFAや他のハイテク企業株も好調だった。
また2020年12月からS&P500に組み入れられたテスラの株も好調に推移している。1.77%まで上昇していた米国10年債利回りも1.6%台に低下したことも、好感された。
加えて、FOMC会合における、月間資産購入額の縮小見送りを示唆する発言などにより、出口戦略への議論が下火になったことも、さらなるリスクオンにつながっていると見られている。
新型コロナウイルスの影響に関しても、ロックダウンなどの措置が厳しかったニューヨークにおいても、経済再開の動きが見えることなども、最高値に貢献したと考えられる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)