明電舎はEVモータ工場増設と業績上方修正の合わせ技効果で続伸
2021年4月7日 08:26
明電舎<6508>(東1)は、前日6日に43円高の2500円と続伸して引け、3月5日につけた年初来安値2255円から出直る動きを強めた。同社株は、今年3月30日に中国の連結子会社でEV(電気自動車)用のモータ・インバータの第2工場を建設すると発表し、EV関連株人気の再燃が期待されており、今2021年3月期業績が上方修正され減益転換率を縮小することも合わせて見直され、割安修正買いが相乗した。4月16日には「カーボンニュートラル」で一致する菅偉義首相と米国のバイデン大統領が、初の首脳会談を行うことも、側面支援材料として意識されている。
■中国で第2工場を建設し国内3生産拠点の増強も続く
同社は、昨年2月に約51億円を投資し名古屋事業所内にEV用の駆動製品(モータ、インバータ)の新工場建設と生産設備導入を発表していたが、これを中止し連結子会社・明電舎駆動技術有限公司(浙江省杭州市)内に約48億円を投資して第2工場を建設、竣工は2022年2月、稼働開始は2023年4月を予定しており、生産能力は年産10万台(最大能力17万台)を計画している。同子会社では、2019年5月に41億円を投資する海外初のEV生産拠点建設を発表し、2019年11月に工場建設に着工、今年夏ごろに立ち上がる。また2018年7月には、沼津・甲府・名古屋の国内3拠点に約70億円を投資してEV事業の設備投資増強を発表しており、同事業の売り上げは、中国子会社の生産設備増強と合わせて2028年度に1000億円とすることを目標にしている。
一方、今2021年3月期業績は、今年2月25日に上方修正された。売り上げは、昨年10月の下方修正値を据え置いたが、営業利益と経常利益は期初より各7億円、純利益は26億円引き上げ、売り上げ2300億円(前期比10.1%減)、営業利益77億円(同39.5%減)、経常利益73億円(同36.4%減)、純利益73億円(同11.1%減)と見込み減益転換率を縮める。賃貸用不動産を売却し約32億円の特別利益を計上することが要因となる。期末配当は、28円(前期実績25円)として実施、年間配当は48円(同50円)を予定している。
■25日線固めが煮詰まりPER15倍の割安修正で昨年来高値にトライ
株価は、コロナ禍の影響で突っ込んだ昨年3月の昨年来安値1303円から売られ過ぎとして1896円までリバウンド、赤字着地となった四半期決算発表のたびに下ぶれたが、温暖化防止条約「パリ協定」への復帰を目指すバイデン大統領の当選とともにEV関連株人気を集めて今年1月に昨年来高値2927円まで買い進まれた。同高値後は、25日移動平均線を出没する中段固めを続け、煮詰まり感を強めて25日線を上抜いたところである。PERは15倍台と割安で、国内大手証券の目標株価引き上げも加わってEV関連株人気を再燃させ今年1月につけた昨年来高値2927円奪回にトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)