東急グループ、災害時の事業継続ソリューション「Dr.BC・プッシュ」を開発
2021年4月4日 12:08
不測の事態が起きても、いかに事業を継続するかが企業に求められ始めた。大地震、異常気象、新型コロナウイルスなどに見舞われながらも、経済活動を続けなければいずれ企業も社会も立ち行かなくなるためだ。
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東急建設(東京都渋谷区)ら東急グループ4社は、災害対策・事業継続ソリューション「Dr.BC・プッシュ」を開発。渋谷ヒカリエで4月1日から運用を開始した。防災センターなどの施設管理の現場で、災害発生後の建物構造診断、情報収集、ビル管理運用などをワンストップで提供する。
渋谷ヒカリエでは同サービスを通して建物の安全確認や、共交通機関の運行情報などに加え、帰宅困難者の受け入れ判断となる情報を収集する予定だ。災害時に最新情報を円滑に仕入れて、地域の安心安全に貢献する。
「Dr.BC・プッシュ」は、東急リニューアルが提供する構造見守りサービス「4D-Doctor」、イッツ・コミュニケーションズによる防災・生活情報配信サービス「テレビ・プッシュ」、東急プロパティマネジメントが提供する「BCビルマネジメント」の3つを組み合わせて東急建設が開発した。
平常時から、建物構造の状態や経年劣化を把握。地震などが発生した場合、構造被害を評価し、周辺自治体の災害情報もキャッチアップする。これらの情報を用いて、避難誘導も行う。復旧フェーズに入れば、施設の復旧支援や事業継続支援のためのビル管理までサポートする。
地震が起きた時に、建物外避難の要否や継続使用の判断を行うだけでなく、日常の微振動観測をあわせて建物構造の健康状態を見える化する。地域に特化した緊急地震速報、Lアラート、自治体情報、災害情報、電車運行など生活情報などをとりまとめて、プッシュ通知も行う。
4社は2019年3月、災害対策・事業継続の新たなソリューションを開発するために「施設安全研究会」を発足し、研究を重ねていた。この内の1社、東急プロパティマネジメントは東急沿線を中心に1500ビルの管理業務を展開。2018年7月に、日本初のBC専門組織「BC研究センター」を立ち上げていた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)