コロナ関連の破たん1178件に 2カ月連続で最多更新の勢い 東京商工リサーチ
2021年3月27日 20:17
東京商工リサーチは26日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が1週間で25件増え、累計で1,178件(負債1,000万円以上)に達したと発表。3月は既に120件が確認され、過去最多だった2月の122件を超えることはほぼ確実。1都3県の緊急事態宣言は21日に解除されたものの、全国的に新規感染者が増加傾向にある。第4波への警戒感が強まる中、飲食業などへの時短要請は続いており、経済の回復へ向けワクチン接種の早期拡大が期待される。
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東京都は27日、都内で新たに確認された新型コロナウイルス新規感染者数が430人だったと発表。1週前の同じ曜日の感染者数を上回るのは8日連続。27日までの1週間における1日当り平均は342人で、前週の298人や前々週の278人からペースを上げながら増加中。
全国での新規感染者数は26日、2月6日以来となる2,000人超えを記録、27日も2,000人以上が確認されている。特に宮城県の感染状況は深刻で、24日から3日連続で150人を超え、27日も129人が確認されたほか、療養者数などその他の指標もステージ4に達している。山形県や愛媛県でも過去最多を更新しており、緊急事態宣言が解除されて早々のタイミングながら、専門家などは第4波を危惧する。
河野大臣は26日、ワクチンの配送計画を発表した。高齢者向けとして、ゴールデンウィークの連休前後に大量に配送する内容で、6月末までに自治体への配送を完了する予定。全国で再び感染が拡大する中、ワクチン接種が予定通り進むとの情報はポジティブに受け取られた。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間27日午後5時時点で1億2,617万人超、死者数は276万人を超えた。国別の最多は米国の3,015万人超、次いでブラジルが1,240万人、インドが1,190万人。以下、フランス452万人、ロシア446万人、イギリス439万人、イタリア348万人、スペイン325万人と続く。3月以降、ブラジルとフランスの増勢が目立つ。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、26日16:00時点で1,178件に達したと発表。このうち1,094件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。破たん企業が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで1万5,710人。
緊急事態宣言解除後も時短要請が求められている飲食関連での破たん発生は止まらず、飲食業だけで205件に達した。このほか、飲食料品卸売業が58件、食品製造業が38件と影響が目立って大きい。中小企業向けには、事業再構築を支援する補助制度の公募が間もなく始まるところ、前向きな発想を持つ事業者とそうでない事業者の明暗が分かれつつある。(記事:dailyst・記事一覧を見る)