新型コロナのイギリス型変異株、致死率は55%高いことが判明 ロンドン大学
2021年3月18日 17:23
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院は15日、感染力が他の新型コロナウイルスに比べて強いイギリス型変異株の致死率が、他のコロナウイルスに比べて、55%高いことが解ったと発表した。イギリス型変異株は、すでに日本でも流行の兆しをみせており、厳重な警戒が必要になる。
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今回の研究成果は、3月15日付でネーチャー誌にオンライン掲載された。
■変異株の日本国内における流行状況
厚生労働省は17日、新型コロナウイルスの変異株(イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型など)の感染者が、16日時点で26都道府県において累計で399人確認されたと発表。9日時点から128人増えた。
そのうち、イギリス型は374人、南アフリカ型は8人、ブラジル型は17人になる。
都道府県別でみると、兵庫が94人、大阪が72人、埼玉が57人、新潟が32人、神奈川が28人となる。ちなみに東京は14人だった。
そのうち、イギリス型は兵庫94人、大阪72人、埼玉57人になる。
■イギリス型変異株の致死率は55%高い
これまで、イギリス型変異株の感染力は最大で70%ほど高いと考えられてきたが、イギリス型変異株と致死率との関係についてはよく解っていなかった。
そこで研究グループは、2020年9月1日から2021年2月14日までのイングランドにおける陽性者約200万人分のデータを分析。そのうちの約100万人分について、イギリス型変異株に感染していたか否かを確定し、致死率との関係を調べた。すると、イギリス型変異株の致死率は、他のコロナウイルスに比べて、55%(95%信頼区画は39~72%)高いことが解った。
気になるのは、すでに世界中で接種が始まっているワクチンの、イギリス型変異株に対する効果だが、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカなどによると、各社のワクチンは、イギリス型変異株についても効果に影響はないとしている。なお、日本で接種が始まっているのは、ファイザー製のワクチンだ。
他の先進国に比べ、ワクチンの接種が遅れている日本においては、引き続き、感染力が強く致死率も高いと考えられるイギリス型変異株に対する厳重な警戒が必要となるだろう。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)