【注目銘柄】荏原実業は反落も連続の最高業績と増配を手掛かりに押し目買いも交錯
2021年3月17日 09:04
荏原実業<6328>(東1)は、前日16日に55円安の4790円と4営業日ぶりに反落して引けた。前日まで3日間で300円高しただけに、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、今2021年12月期業績が、連続して過去最高を更新し、連続の増配を予想していることを手掛かりに押し目買いも交錯した。3月21日が期限の1都3県の首都圏への新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が、解除されるかさらに再々延長されるか、株主提案に対して取締役会で反対決議して3月25日開催される予定の同社株主総会の動向なども、株価の方向性を占うポイントとして注目されている。
■半導体用モニタやコロナ禍関連の簡易陰圧装置などが続伸
同社の今2021年12月期業績は、売り上げ330億円(前期比9.1%増)、営業利益34億円(同5.8%増)、経常利益36億円(同7.0%増)、純利益25億円(同6.7%増)と予想され、前期に続く過去最高更新となる。環境関連では、半導体用オゾンモニタや医療機関向けの簡易陰圧装置、オゾン空間除菌装置などの感染症対策製品が続伸し、水処理関連では、上下水道施設の更新案件や自然災害多発に対応する雨水排水施設案件の増加などが寄与する。
とくに感染症対策製品は、補助金の動向がまだ不確定として今期売り上げは、前期比73%増と見込んでいるが、受注高は、同59%減と慎重に予想しているだけに、首都圏への緊急事態宣言が再々延長されるような事態になれば、前期業績と同様に業績上方修正要因になり、菅内閣の政策判断がポイントとなってくる。また同社第5位の大株主が要求した特別配当・普通配当増配の株主提案は、取締役会議で反対決議されている。なお今期配当は、年間140円(前期実績110円)へ連続増配が予定されている。
■25日線で下値を確認しPER12倍、配当利回り2.9%の修正に再発進
株価は、昨年11月の前期業績の上方修正で4235円高値まで買われ、今年2月の前期業績の再上方修正・期末配当の増配、さらに今期業績の連続過去最高更新・増配予想ではストップ高を交えて上場来高値5100円まで買い進まれた。足元では、上向きの25日移動平均線で下値を確認しながら上値を追っているが、PERは12倍台、配当利回りは2.92%となお割安である。上場来高値抜けから上値チャレンジに弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)