レシップHD、愛三工、資生堂など/本日の注目個別銘柄
2021年2月2日 16:24
<4768> 大塚商会 5100 -330急反落。前日に20年12月期決算を発表、営業利益は563億円で前期比9.5%減となった。第3四半期決算時に下方修正した水準の573億円をやや下振れた。一方、21年12月期は581億円で同3.2%増と増益転換を見込む。ただ、640億円程度の市場コンセンサスを大きく下回る。システムインテグレーション事業の回復がやや鈍い見通しが響ているもよう。なお、配当金は記念配5円実施の分、増配を計画している。
<7240> NOK 1456 +57大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表、累計営業益は51.8億円で前年同期比45.3%減となった。通期予想は110億円で前期比8.6%減と、1月27日発表の上方修正値を据え置いた。ただ、10-12月期は138億円の営業利益となっており、上方修正値に対しては更なる上振れも期待できるとの見方が強まった。またグループ会社が関節部のシワにも追従できる極薄伸縮コイルアンテナを開発したとも発表した。
<7283> 愛三工 627 +90急騰。前日に第3四半期決算を発表、累計営業益は12.5億円で前年同期比76.3%減となったが、上半期21億円の赤字からは黒字に転じた。つれて、通期予想は従来の10億円から36億円にまで上方修正した。主要顧客向けの売上高回復に加え、損益分岐点売上高低下などの収益対策効果が顕在化したもよう。年間配当金も15円から16円に引き上げ。想定以上の収益改善に買いインパクトが先行した。
<7213> レシップHD 603 +100ストップ高。キャッシュレス運賃収受器がドイツの公共交通機関向けシステムインテグレーターのIVUに採用されたと発表した。運賃収受器「LV-700」は、世界共通で利用できる多様な決済手段に対応した運賃収受器。IVUの運賃収受システムや運行管理システムは、世界各国において約500事業者以上の公共交通機関への採用実績があるとされ、同社の運賃収受器の売上拡大につながるとの期待感が先行する形に。
<6971> 京セラ 6691 -69急落後に下げ渋る。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は189億円で前年同期比45.2%減となり、市場予想を90億円程度下回った。スマートエナジー事業での減損115億円の計上を考慮すれば、実質的には上振れと捉えられるものの、これを考慮しても減益決算であり、他の電子部品大手との比較では業績回復が鈍いとみられているもよう。通期計画は750億円で前期比25.1%減を据え置いた。
<6963> ローム 11460 +630大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業損益は118億円で前年同期比38.8%増となり、市場予想を30億円近く上回っている。通期予想も従来の230億円から320億円に上方修正、一転しての増益見通しとなる。通期の市場予想は290億円程度であったとみられ、上方修正幅は想定以上となる形に。自動車向けの回復などが上方修正の主因となっているようだ。
<6723> ルネサス 1290 +79大幅続伸。先にサムスン電子がM&Aの推進を公式発表しているが、一部韓国紙では、買収の有力対象として同社を挙げているもよう。本日の買い手掛かり材料ともされているようだ。買収候補としては他に、オランダのNXP、米国のテキサスインスツルメンツなどが挙げられており、車載用半導体企業が注目される形になっている。豊富なキャッシュポジションを背景に、複数のM&A実現の可能性ともされているようだ。
<4911> 資生堂 7364 +493大幅続伸。前日に業績予想の上方修正を発表している。20年12月期営業損益は従来の100億円の赤字予想から、一転して150億円の黒字予想に引き上げている。経費を中心としたコストの効率化効果が収益押し上げの主因とみられるが、日本や中国における売上高予想もやや引き上げている。通期営業益の市場コンセンサスは収支均衡水準であったとみられ、想定以上の収益力の高まりを評価する動きが優勢に。
<6920> レーザーテック 14110 -180大幅反落。前日に上半期決算を発表、営業益は121億円で前年同期比50.9%増と大幅増益、通期予想も従来の170億円から200億円に上方修正した。堅調な半導体需要を背景に、主力製品のマスク欠陥検査装置の販売が好調に推移しているもよう。年間配当計画も49円から55円に増配。ただ、昨年後半からの大幅な株価上昇で好決算は織り込み済み、上方修正水準にサプライズはなく、出尽くし感が優勢となった。
<7974> 任天堂 62400 -240朝高後、マイナス転換。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は5211億円で前年同期比98.2%増、市場予想を300億円強上回る着地になった。既存タイトルが引き続き好調に推移しているもよう。通期予想も4500億円から5600億円、前期比58.9%増と、市場想定並みの水準にまで増額修正した。また、期末配当金は450円から1070円にまで引き上げ、株主還元姿勢を評価する動きも強まる形に。《ST》