開発者の正直さに依存のApp Storeプライバシー情報表示、効果のほどは?

2021年2月2日 08:22

headless 曰く、 Appleは年末からApp Storeでアプリのプライバシー情報の表示を開始しているが、情報は開発者の自己申告であり、中には不正確なものもあるようだ(The Washington Postの記事Mac Rumorsの記事9to5Macの記事)。

アプリのプライバシー情報は食品の栄養素ラベルのように一見して必要な情報が把握できるようにするもので、アプリが収集するデータの種類や扱いなどが「Appのプライバシー」セクションに記載される。これらの情報は新規アプリおよびアプリのアップデートをApp Storeに提出する際に必須となるが、Appleは「デベロッパには、回答を正確かつ最新の情報に保つ責任があります」とするのみで、掲載前に確認は行われないようだ。実際に「Appのプライバシー」セクションで「詳細を表示」をクリックすると「この情報はAppleによって検証されていません」という但し書きがみられる。

The Washington Postの記事では、テクノロジーコラムニストのGeoffrey Fowler氏が「データの収集なし」と表示されるアプリによるデータ収集が判明したと伝えている。その後Fowler氏は数十本のアプリを検証し、半数以上が「Appのプライバシー」の記載と異なるデータ収集を行うことを確認したという。Fowler氏はVPNアプリ「Privacy Pro」の追跡防止機能がブロックした通信のリストを証拠として示し、Apple製品のセールスポイントであるプライバシーはユーザーのためではなく、Appleが利益を得るためだと批判する。

AppleはFowler氏に対し、開発者が提供するプライバシー情報の正確性を順次確認しており、不正確な情報を修正するよう開発者に求め、修正されない場合は将来のアップデートの却下やApp Storeからの削除も行うなどと説明したという。Fowler氏からの連絡を受けて「Appのプライバシー」に表示する情報を修正したり、アプリ自体を修正したりする開発者もいるが、修正することなく公開を続けている開発者もいるとのことだ。

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