コロナ関連の破たん936件に 約1年で4桁に迫る 東京商工リサーチ
2021年1月30日 19:52
東京商工リサーチは29日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が、前週から29件増え累計で936件(負債1,000万円以上)に達したと発表。昨秋と比べ発生件数は減少しているものの、月100件前後のペースは変わらない。
【こちらも】2020年の小売業倒産件数、過去30年で最少に 新型コロナ影響 東京商工リサーチ調査
昨年2月に老舗旅館の富士見荘が第1号で経営破たんしてから間も無く1年が経過するところ、累計件数は4桁に迫る。緊急事態宣言の延長が避けられないとの見方が強まる中、東京都などは一定の施設への休業要請を検討しており、一部業種は更に大きな影響を受ける。
東京都は30日、都内で確認されたコロナ新規感染者数が769人と2日連続で1,000人を下回ったと発表。30日までの1週間における1日当たり平均は900人で、前週の1,289人や前々週の1,489人から明確な減少傾向が見られる。
一方、東京都をはじめ緊急事態宣言の対象地域の多くは、宣言解除の条件とされる各指標を概ね満たしておらず、宣言の期限延長は避けられないとの見方が強い。1都3県は29日、宣言が延長された場合には、集団感染が発生しやすい一定の施設に対し休業要請を検討するとの共同宣言を発表。感染拡大が長期化する中、より強い措置が必要と判断した。
注目の法改正は29日、比較的スピーディに与野党が合意に至り、衆院で審議入りした。緊急事態宣言下で時短や休業の命令に従わない事業者への過料が50万円から30万円へ修正されたほか、入院を拒む感染者については懲役が削除され、罰金は行政罰である過料へ修正された。2月初旬の成立が予想される中、成立後10日間の周知期間が設けられる予定で、施行は2月中旬頃となる。その時点で緊急事態宣言下にある地域では、強制力のある対応が可能となる。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間30日午後4時時点で1億200万人超、死者数は220万人を超えた。国別の最多は米国の2,592万人超、次いでインドが1,073万人。以下、ブラジル918万人、イギリス378万人、ロシア377万人、フランス321万人、スペイン274万人、イタリア252万人と続く。日本の累計感染者数は38万人を超えた。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、29日16:00時点で936件に達したと発表。このうち861件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。負債1,000万円未満の小規模倒産は含まれていない。
業種別では、飲食業が164件と最多で、飲食料品卸売業の46件および食品製造業の31件と合わせ241件と全体の4分の1以上を占める。その他、アパレル関連が87件、建設業が79件、宿泊業が61件と続く。一方、電子部品などの製造業の多くは業績を回復させており、また、中国などへの輸出が増える中で海運業なども業績を伸ばすなど、業種・企業間の経済格差は拡大しつつある。(記事:dailyst・記事一覧を見る)