TBS HD、ドラマ『半沢直樹』等の視聴率が堅調もコロナ影響が大きく、連結ベースで減収減益

2021年1月28日 09:51

企業理念とブランドプロミス①

佐々木卓氏:代表取締役の佐々木でございます。ついたてもございますことから、マスクを外してお話をさせていただきたいと思います。本日はみなさまご多用の中、それからコロナのこういった状況の中でご参集いただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

私どもTBSグループは、今年1月、新しい企業理念とブランドプロミスを制定いたしました。また、企業ロゴもスライド右上に「TBS」とありますようなデザインに一新いたしまして、グループ全体で統一したところでございます。

ご覧の企業理念は、私たちTBSグループの目的とその存在理由を示したものです。TBSグループは、時代を超えて世界の人々に愛されるコンテンツとサービスを創り出し、多様な価値観が尊重され、希望にあふれる社会の実現に貢献してまいります。

企業理念とブランドプロミス②

そしてこの企業理念に沿いまして、お客さまへの約束、あるいは我々TBSグループの未来への志といたしまして、ご覧のブランドプロミスも掲げました。「最高の”時”で、明日の世界をつくる。」これが我々のブランドプロミスでございます。

社名変更

さらに、10月1日から社名を変更いたしました。「東京放送ホールディングス」から「TBSホールディングス」にいたしました。この変更は企業理念に沿ったもので、「東京」だけでなく「世界」へ、そして「放送」だけでなく「総合メディア」を目指す、こういう我々の思いが込められたものでございます。世界の人々に愛される多様なコンテンツとサービスをみなさまにご提供できるよう、努めてまいりたいと思っているところです。

2021年3月期 第2四半期連結決算

それでは、連結の決算ハイライトであります。やはりコロナによる影響が大きく、連結ベースで減収、営業減益となりまして、最終利益も減益でありました。

2021年3月期 通期業績予想

下期もコロナの影響が残ってしまうという見通しでございます。しかしながら、通販や動画配信などの巣ごもり需要や、番組制作費などの削減も見込んでございます。そのため、営業利益以下は、期初にお示しした数字を上方修正してあります。

視聴率(2020年度上期)

こうした中で、中核のテレビ事業では上期の視聴率が堅調でございました。我々が大事な指標としておりますファミリーコア視聴率、これは13歳から59歳までの男女の個人視聴率でございますけれども、このファミリーコア視聴率が上期はG・P帯ともに単独2位という結果になりました。

G帯で単独2位になるのは16年ぶりのことでありまして、さらにP帯で単独2位となりましたのは、1997年にこの個人視聴率の調査が始まって以来、初めてのことでございます。

視聴率

よい成績をお陰さまで残せたという要因は、やはりドラマであります。『半沢直樹』それから『私の家政夫ナギサさん』そして『MIU404』。この4月クールのドラマはそれぞれ個性が違っておりまして、特色が3つともそれぞれバラバラ、個性にあふれるドラマでありました。社会現象と言えるほどのブームを起こしたと思っております。

総合メディア戦略の多様化①

それから、総合メディア戦略の一環といたしまして、電子マンガ事業に出資いたしました。DeNAの「MangaBox」は、電子マンガアプリ事業に加えまして、オリジナルの漫画IP、いわゆる知的財産の開発事業にも力を入れてございます。当社もこの事業に加わることで、ビジネスのポートフォリオをさらに広げていきたいと考えております。

総合メディア戦略の多様化②

また、これまで力を入れてまいりました知育事業も、さらにスケールアップして力を入れて強化していこうというところでございます。電通、それからエデュソルの2社と組みまして、今月の2日になりますが、次世代教育の開発会社「スコップ」を設立いたしました。

この「スコップ」は、想像力を鍛えましょうという知育産業でありますけれども、ゆくゆくはそうしたマニュアルやフォーマットを世界に向けて発信していきたいと思っているところでございます。

社会的責任の遂行①

そして、SDGsの取り組みも進んでおります。G・P帯や、平日のベルト番組が多数参加いたしまして、まさに全社一丸となって取り組んでいく所存であります。日本のテレビ局として、これだけの規模でSDGs企画を実施するのは初めてのことであろうかと思います。それではその一端をご紹介する映像をご覧ください。

今ご覧いただいたのは、キャンペーンの宣伝の素材ですけれども、この3人の有名な方々のほかに、17人のアナウンサーがSDGsに合わせた17の項目をそれぞれ担当して、全社でこの運動、ムーブメントを盛り上げていこうとがんばるところでございます。 

社会的責任の遂行②

今回の企画には実に多くのご賛同をいただきました。ご覧いただけますでしょうか。多くの日本のトップ企業、団体にパートナーとしてさまざまなご支援をいただいているところでございます。駆け足でございましたが、私からは以上でございます。ありがとうございました。

連結会社一覧

河合俊明氏:河合でございます。よろしくお願いいたします。それではまず最初に、連結会社の一覧でございます。当社は今、グループ会社の統合を進めておりまして、現在連結子会社の数は25社、持分法適用会社は3社となっております。さらにこの6月に、技術や美術、CG関係の新しい会社であります「TBSアート&テクノロジー」を設立しております。

連結の6社と連結外のグループ会社6社の合計12社を集めまして、来年4月に吸収合併して新しい会社となるという予定でございます。

第2四半期 連結 損益計算書

それでは、上期の連結決算でございます。冒頭に佐々木からもありましたように、グループ全体では主にコロナの影響で減収減益という結果でございました。

第2四半期 TBSテレビ 損益計算書

続きまして、グループの中核となるTBSテレビ単体の決算です。ご覧のとおり、連結と同様に減収減益です。営業利益は赤字となりました。コロナ禍の影響が続く中で、スポーツ単発の延期ですとか中止が相次いだほか、スポット市況の回復が遅れていることが主な要因でございます。また、事業部門は興行の中止や規模の縮小により大幅な減収となっております。

TBSテレビ 収入内訳

続きまして、TBSテレビの収入の内訳でございます。上のテレビ事業部門、下のイベントなどの事業部門とも、大幅な減収となりました。こうした中でコンテンツ収入が増収となっておりますけれど、これは動画配信事業が事業部門から移管されたことが主な要因でございます。

タイム・スポット収入 対前年比

続きまして、タイム収入とスポット収入の、月別の前年度との比較です。この赤い線グラフがタイムですが、4月と9月は前の年のスポーツ単発の反動がありましたため、数字を落としております。6月の減少は主に曜日差の影響です。青い線グラフがスポットです。5月、6月はさすがに大きく下げましたが、その後増加し、回復基調となってきております。

業種別スポット売上順位

続きまして、業種別のスポット売上の前年度との比較です。上位の業種はすべて売上を落としておりますが、中でも交通・レジャー、また金融の下げ幅が大きくなっております。

設備投資と減価償却費

続いて、設備投資と減価償却費はご覧のとおりです。この中で連結の設備投資額が約57億円の減少となっておりますのは、昨年上期に「赤坂エンタテインメント・シティ構想」関連の投資が行われた反動です。

連結セグメント別実績

続いて、連結のセグメント別の実績です。ライフスタイル事業は、コロナ禍の中で小売店舗を中心に厳しい状況が続いていることや、インバウンド事業などが激減したことで、大幅な減収減益となっております。

連結貸借対照表

連結の貸借対照表です。固定資産は有価証券の含み益によりまして大幅に増加しております。一方で、その結果としまして繰延税金負債が拡大し、固定負債も増えております。なお、スタイリングライフの借入を行ったことによりまして、有利子負債も増加しております。

連結キャッシュ・フロー

次に、連結のキャッシュ・フローの前年上期との比較です。収入の減少等によりまして、営業活動は約44億円の減少です。投資活動は前の年に「赤坂エンタテインメント・シティ構想」関連の投資を行った反動があり、約58億円増加しております。また、財務活動はライフスタイル事業での借入金によりまして約55億円の増加です。

TBSラジオ/BS‐TBS

続きまして、主な連結会社の業績についてご説明いたします。上の表はTBSラジオです。コロナの影響で売上を大幅に下げましたが、コストコントロールによりまして営業利益は増益となっております。また、下の表、BS-TBSも大幅な減収となったものの、スポーツ単発等の休止が費用削減につながりまして、営業利益は増益でした。

スタイリングライフグループ

続いてスタイリングライフグループです。6月以降、小売店舗を再開し徐々に売上を回復してはおりますが、引き続き厳しい状況が続いております。一方で、グループ内でやっております通販事業は、巣ごもり需要を取り込み、堅調でございます。

2021年3月期 連結業績予想の修正

最後に通期の業績予想ですが、冒頭に佐々木からもありましたように、営業利益以下を上方修正しております。通販ですとか、動画配信などで巣ごもり需要が増加しているほか、番組制作費等の削減も見込んでおります。私からの説明は以上でございます。

ファミリーコア視聴率(13‐59歳男女)

渡辺正一氏:渡辺でございます。それでは、編成事業についてご報告、ご説明いたします。

初めに、上期の視聴率です。冒頭に佐々木からもありましたが、私たちが一番大切に考えている主要ターゲットであるファミリーコア視聴率で、ゴールデン帯がプラス0.8の4.7パーセント、P帯すなわちプライム帯がプラス0.7の4.8パーセントと、上期はG・P帯とも単独2位という結果になりました。ゴールデン帯で単独2位になるのは16年ぶり、プライム帯で単独2位になるのは、1997年に個人視聴率調査が始まって以来初めてのことです。

個人全体視聴率(ALL)

個人全体視聴率、ALLにつきましては、ご覧の数字となっております。どの時間帯に関しましても前年度よりも数字を上昇させておりますが、引き続き上を目指して、番組の改善を進めていきたいと思っております。

ドラマ 2020年度上期

上期の良好な視聴率の大きな要因は、なんといってもドラマでございました。ご覧の『半沢直樹』は、最終話でファミリーコア、ALLともに20パーセント超え、令和最高の視聴率を獲得しました。日本全国では約3,300万人以上の方たちにご覧いただけました。

ドラマ

また、火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』と、金曜ドラマ『MIU404』も社会現象と言えるような大きな話題となりました。

バラエティ・情報番組 2020年度上期

また、ご覧のバラエティや情報番組も上期の視聴率アップに貢献いたしました。『マツコの知らない世界』や『新・情報7daysニュースキャスター』は相変わらず好調でございます。

テレビ番組原価(制作費)

こうした番組の制作費ですが、第1四半期にコロナの影響でさまざまな番組の収録が中止となりまして、その結果、上期の制作費は大幅に減少いたしました。現在、番組収録はほぼ元に戻りつつありますが、一方で広告収入、イベントなどの収入等の回復は遅れておりまして、下期に関しましてもコストコントロールには一層努めてまいる予定でございます。

10月新編成のポイント

続きまして、10月改編のポイントです。上期のこの勢いをさらに加速するために、現行のレギュラー番組の体質改善に力を入れております。家族で楽しんでいただける番組作りを目指すにあたり、ファミリーコア層の獲得強化が一番の課題でございます。特に「Teen・F1・F2」層を重点ターゲットに据えて、次世代の視聴者開拓、開発、獲得をしていくつもりでございます。

下期ドラマ①

10月ドラマでございます。10月ドラマは、いずれも魅力的なラインアップとなっております。日曜劇場『危険なビーナス』は、東野圭吾さんの原作の極上ラブサスペンス。物語の最後に驚愕の大逆転劇が待っております。ご期待いただければと思います。

下期ドラマ②

火曜ドラマ『この恋あたためますか』。コンビニスイーツが大好きなアルバイト女子と巨大コンビニチェーン社長が、理想のスイーツを開発していく中で本当の愛情を見つけていくというラブストーリーでございます。

金曜ドラマ『恋する母たち』。3人の女性を通じて母親たちが抱える苦悩と葛藤を描き、本当の幸せとはなんなのかを問いかけるドラマでございます。

TBSテレビ 事業部門収入

続きまして、TBSテレビの事業部門の収入内訳です。第1四半期にイベントの休止が相次ぎ、現在も縮小開催を余儀なくされている中で、事業部門の収入は大きく減少いたしました。そうした中、上期のヒットドラマに併せて多様なグッズ展開を行うことで、ライセンス事業は大きく売上を伸ばしました。

映画事業

映画に関しましては、上映の自粛等、コロナの大きい影響を受けました。今年度上映できている作品はこちらの2本でございます。

8月から公開中の『糸』は、映画館への入場制限が続く中でも興行収入22億円を超え、大ヒット作となりました。先月末にスタートしました『罪の声』も好調な立ち上がりを見せております。私からは以上でございます。

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