【ニュースで学ぶ英語】バイデン米大統領就任演説で英語の4技能を鍛えよう!
2021年1月23日 16:51
民主主義世界のリーダーであるアメリカのビジョンを世界の人びとにわかりやすく伝える米大統領就任演説は、実は英語学習の格好の教材でもある。
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今回は、1月20日(現地時間)に行われたバイデン大統領の就任式典における演説を使い、英語の4技能を鍛える方法を紹介したい。
■大統領就任演説関連サイト
まず演説の映像が無料で観られるサイトとしては、アメリカの議会中継などを行う公共放送C-SPANをおすすめする。
パソコン画面で表示される10秒早戻し・早送りボタンが書き取りには特に便利だ。さらにこのサイトでは過去の米大統領の名演説や討論会の映像も視聴することができる。
次に演説の英語原文だが、英公共放送BBCのサイト(URL: https://www.bbc.com/news/world-us-canada-55656824 )が無料でアクセスできるので適当だろう。
最後に演説の全訳は、原文との関連もあるため同じくBBCの日本語版サイトの翻訳(URL: https://www.bbc.com/japanese/55744259 )を利用するのがよいだろう。
■ディクテーションで「聞く」、「書く」を鍛える
最初に行う練習は、演説の音声を聞きながら書き取っていく「ディクテーション」だ。聞き取れないところは何回も再生してしっかりと聴き込むようにしたい。
全文の書き取りには何時間もかかるので、原文で4段落くらい、単語数にして300ワード前後を目安に、聞き取りにくい箇所を重点的に取り上げるとよいだろう。
次に書き取ったテキストを原文と比較して添削する。ここではスペルだけでなく、コンマやピリオドが正しく使われているかもチェックしよう。こういった細かいことは、メールのやりとりなどで相手に与える印象を大きく変えるため、日頃から注意する習慣を身に着けておきたい。
■翻訳で「読む」を鍛える
書き取ったテキストのチェックが終わったら、その文章を自分で日本語に翻訳して先にあげたBBC日本語版の訳と比較する。プロの翻訳者の文章と比べることで、原文を正確に理解できたか把握できるだろう。
TOEICなどでは翻訳は出題されないが、英語から日本語への翻訳は重要なビジネススキルのひとつだ。ワークフローが英語で完結するのでなければ、英文和訳が日本のビジネスの現場で今後も必要とされることは変わらないといえる。
■テキストの暗記で「話す」を鍛える
最後に書き取ったテキストをすべて暗記して、演説の映像に合わせてしゃべってみよう。この練習は、「シャドーイング」と呼ばれる英語を聞きながら同時に音を真似して発音する学習に入る前の段階にも適している。
この練習のときには、話すスピードや間のとり方に注意したい。まとまった文章を暗記してわかりやすく発声する練習は、英語でプレゼンをするためのよい練習にもなる。
バイデン大統領は長い間吃音に悩まされてきたが、半世紀近くにわたる政治家としてのキャリアを通じた努力によってこの弱点を見事に克服した。強烈な個性の持ち主ではないため、一般的な英語学習者に適したお手本になるだろう。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)