ファミマ、特殊包装で総菜の消費期限を3日延長 取り扱い地域拡大へ
2021年1月20日 16:50
ファミリーマート(東京都港区)が、消費期限を従来より3日間延長させた総菜の取扱いを拡大する。特殊な包装技術を使い鮮度を保った商品で、2020年10月から東海地域の一部で展開していた。2021年1月19日から関東地域の店舗にも置き、順次展開エリアを広げていく。食品ロス削減やプラスチック対策につなげる。
【こちらも】コンビニ大手3社とトヨタ+日野連合が燃料電池トラック配送の実証実験開始
容器内の空気を、総菜に適したガスに置換密封する「ガス置換包装」を採用。消費期限の延長を実現した。蓋はフィルムを熱で貼り付ける「トップシール」にすることで、プラスチック使用量の削減も見込んでいる。「鶏唐揚げネギ香味だれ」など、大容量の総菜で採用する。
1月26日には関西地域へも取扱店舗を広げ、関東、東海、関西地域のファミリーマート約1万1600店にまで展開を拡大する。同社は2030年及び2050年に向けた中長期目標として、「温室効果ガス削減」「プラスチック対策」「食品ロス削減」の3テーマを重視。数値目標を設定し、「ファミマecoビジョン2050」として掲げている。商品の発注精度向上や容器包装の改良により食品ロスの削減を推進しており、消費期限延長もその一環だ。
店舗の食品廃棄物は、2030年までに2018年比で50%削減し、2015年には80%削減を計画している。発生した食品廃棄物は、食品リサイクルループなどの取り組みにより資源の有効活用を行う。プラスチックは環境配慮型素材の使用割合も2030年には60%まで引き上げ、2050年には100%にする方針だ。
尚、店舗運営に伴う温室効果ガスも、省エネ機器を導入し電気使用量を抑制。2030年には2013年比で40%削減。2050年には100%削減すると目標づけている。
農林水産省などの推計によると、2017年度の国内食品ロスは年間612万トンで、日経新聞によるとコンビニ全体でこの内5%ほどを占めると予測されている。各社はこの削減に向け注力しており、発注システムや値引き、消費期限を延長する製法や包装の開発を急いでいる。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)