コロナ関連の破たん883件に 静岡で大型倒産が発生 東京商工リサーチ

2021年1月16日 20:51

 東京商工リサーチは15日、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け破たんした国内事業者数が、前週から17件増え累計で883件(負債1,000万円以上)に達したと発表。1月は15日時点で40件と、現時点では減少傾向が見られる。一方で、コロナ関連で5件目となる100億円以上の大型倒産が発生。緊急事態宣言の再発令を受け、中小企業向けの支援策が随時発表されているが、コロナの影響は大企業まで拡大している。

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 東京都は16日、都内で確認されたコロナ新規感染者数が1,809人だったと発表。16日までの1週間における1日当たり平均は1,489人と、前週の1,668人から減ったものの、楽観視できる水準ではない。緊急事態宣言の対象地域が11都府県へ拡大する中、企業のテレワーク導入率向上や週末の人出減少がデータで現れ始めており、感染抑制が期待される。

 政府や自治体は、時短要請を受け入れた個人事業主や中小企業の経営する飲食店へ協力金を用意。中小企業庁は14日、飲食店と取引ある納入業者、旅館、タクシー業者等について、外出自粛の影響で失った売上を補填するための一時金の概要を発表。対象は中小企業と個人事業主で、前者は最大40万円、後者は最大20万円となる予定。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間16日午後6時時点で9,385万人超、死者数は200万人を超えた。国別では、米国が最も多く2,353万人超、次いで増加ペースが緩やかとなったインドが1,054万人。以下、ブラジル839万人、ロシア348万人、イギリス332万人、フランス293万人、トルコ237万人、イタリア235万人、スペイン225万人が続く。日本の累計感染者数は31万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、15日17:00時点で883件に達したと発表。このうち811件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。負債1,000万円未満の小規模倒産は含まれていない。

 静岡県の製紙メーカーである大興製紙が、負債総額140億円超で会社更生法の適用を申請し、コロナ関連で5件目の大型倒産(負債総額100億円超)となった。同社はショッピングバッグ等のほか、ガラス保護紙などの産業用特殊紙も開発製造してきた業歴約70年の老舗企業。コロナの影響で国内外の需要が大きく落ち込み、売上回復の目処が立たないことから法的措置に踏み切った。

 コロナの影響が長期化する中、政府等に対し、中小零細事業者に限らず大手向け支援策の拡充を求める声もある。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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