【特集】グロース株よりバリュー株が優位、「01銘柄」などは株価優位性
2021年1月12日 09:44
仮にインフレ進行が現実味を帯び、パラダイムシフトの前触れとなるなら、投資セオリーは「カネよりモノ」、「バーチャルよりリアル」、「ソフトよりハード」であり、グロース株よりバリュー株が優位となるはずだ。「昔 重厚長大株」、「今 バリュー株」の「01銘柄」などに株価優位性を瀬踏み、トライするのも一法となりそうだ。
■PBR1倍割れの「01銘柄」は株価プライドの奮起を期待
「01銘柄」とは、コード番号の末尾2ケタが「01」となっている銘柄である。ENEOSホールディングス<5020>(東1)のように、新日本石油<5001>が幾多の合併・統合を経てコード番号が変わった例もあるが、ほとんどが各業界のトップ企業で、業界2位との株価比較など株価プライドも半端でなく高かった。しかし足元で上場来高値を取ってきているのは、キッコーマン<2801>(東1)、豊田自動織機<6201>(東1)、NEC<6701>(東1)、島津製作所<7701>(東1)、伊藤忠商事<8001>(東1)など少数派で、原発事故を起こした東京電力ホールディングス<9501>(東1)は例外にしても、多くが業績の赤字推移・無配転落などを背景に低迷していた。
このうちPBRが1倍を下回っている「01」銘柄にいっそうの株価プライドの奮起を促すのがまず狙い目となる。コード番号順にあげると極洋<1301>(東1)、大成建設<1801>(東1)、ニップン<2001>(東1)、サッポログループホールディングス<2501>(東1)、東洋紡<3101>(東1)、ニッケ<3201>(東1)、横浜ゴム<5101>(東1)、AGC<5201>(東1)、東海カーボン<5301>(東1)、古河電気工業<5801>(東1)、東洋製缶グループホールディングス<5901>(東1)、大和証券グループ本社<8601>(東1)、三井不動産<8801>(東1)、東武鉄道<9001>(東1)、日本郵船<9101>(東1)、日本航空<9201>(東1)、TBSホールディングス<9401>(東1)などとなり、この一段の浮上が期待される。
■大手商社株はバフェット氏、銀行株は米金利上昇の各大援軍を期待
このほか「モノ」関連では、取扱商材が「ラーメンからミサイルまで」と広範囲で米国の著名投資家のウオーレン・バフェット氏のフォローを期待できるかもしれない大手商社株も、上場来高値を更新中の伊藤忠を除いてPBRが1倍を下回っている。丸紅<8002>(東1)、三井物産<8031>(東1)、住友商事<8053>(東1)、三菱商事<8058>(東1)に伊藤忠追撃を期待したい。
また米国の長期金利上昇では運用環境が好転するとして連休前に保険株が急騰したが、この後追いながら同じく利ザヤ拡大期待も高まる銀行株も要注目となる。メガバンクのあおぞら銀行<8304>(東1)、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)、りそなホールディングス<8308>(東1)、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)、みずほフィナンシャルグループ<8411>(東1)のほか、地方銀行株で日経平均株価の構成銘柄となっているコンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>(東1)、千葉銀行<8331>(東1)、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>(東1)、静岡銀行<8355>(東1)もPBRが1倍を割っているほかPERも割安水準となっており、バリュー株人気を強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)