カズユキ クマガイ 2021年春夏コレクション - 柔らかさと躍動

2020年12月23日 17:21

 カズユキ クマガイ(KAZUYUKI KUMAGAI)は、2021年春夏コレクションを発表した。

■繊細な柔らかさと軽快な躍動

 今季のカズユキ クマガイは、柔らかさや躍動を感じさせるデザインが印象的だ。光沢感を放つオレンジや深緑のスタンドカラーシャツは、とろみのある質感で風を含み、ソフトな質感がどこか繊細な表情を漂わせている。かっちりとしたテーラードベストには、シースルーのカットソーを組み合わせることで軽快さをプラスした。

 半透明のホワイトのコートは、大きな襟や広くとったアームによってコンフォートな抜け感を漂わせている。肩に配されたファスナーを開けると袖が取れる仕様となっており、フレキシブルなスタイリングを楽しめる。また、グレージュのセットアップは、生地を多く用いてゆったりとした仕立てに。柔らかな布地が身体のラインに沿って落ち、細やかなドレープを刻んでいくことで、ラフさもありつつ、どこか優雅な佇まいを見せる。

■大胆ながらも自然なパンツのシルエット

 また、パンツのシルエットにも注目したい。ダイナミックなパターンメイキングでユニークさもありながら、着た時に身体に自然になじんでいくのが印象的だ。大胆にタックを配したベージュのパンツは、しなやかな生地の落ち感と分量感の絶妙な均衡によって、軽やかな印象に。

 白いシャツに組み合わせたツータックのウエストベルトパンツは、股上を深く仕立てたボリューム感のあるパターンだが、裾に向かってテーパードしたアンクル丈のバランス感によってすっきりとした雰囲気をまとう。

■ニュアンスを持たせた色使い

 スモーキーな色彩を用いた、ニュアンスを持たせたデザインも散見された。カラーブロックの半袖シャツやブルーのロングシャツなどには、ややグレーがかった影のある中間色を用いることで、落ち着いた表情に仕上げた。また、裾に植物のシルエットをグラデーションであしらったシャツとパンツは、彩度の低い色彩で構成されることで、より一層抽象性を強めている。

関連記事

最新記事