コロナ禍で迎える冬のボーナス マイナス増の中、プラス支給の企業も

2020年12月20日 17:12

12月も半ばを過ぎ、激動の2020年もいよいよ残すことろあとわずかとなった。残念ながら、年内に新型コロナウイルスとの決着はつかなかったものの、2021年こそは克服し、明るい年にしたいものだ。

 例年ならば、クリスマスやお正月で気分も盛り上がってくる時期。でも、今年はさすがにいつもよりも静かな年末となりそうだ。感染拡大の第3波の中、クリスマスパーティや忘年会、帰省、初詣、新年会など、人の集まる「密」はできるだけ避ける必要があるだろう。でも、その一方でできるだけ「密」になってほしいものもある。ボーナスだ。ところが、残念ながらボーナスも今年は全般的に控えめになりそうだ。

 一般財団法人 労務行政研究所が東証1部上場企業205社を対象に行った集計報告によると、2020年冬のボーナスの妥結額は全産業平均で、対前年同期比マイナス 3.2%となる74万3968円だった。実際の支給額減額は、さらに減額となる企業もあるだろう。公務員の賞与も3年連続の減少が予想されており、今年は前年比3.8%減の72万2961円となる見込みだ。

 多くの産業が打撃を受けている中でも、とくに被害が大きいのが航空会社だ。

 11月30日、日本航空(JAL)〈9201 〉と全日本空輸(ANA)〈9202 〉の航空大手2社は相次いで冬のボーナスの大幅削減を発表した。JALは前年比8割減、ANAに至っては、なんと今回の支給はなしだ。コロナ禍の旅客数激減した状況の中、労働組合も雇用維持を条件にボーナスの大幅減を受け入れたかたちだ。

 ところが、そんな中でもボーナスを増額している企業も、わずかながら存在する。

 例えば、木造注文住宅メーカーのアキュラホームだ。同社は12月10日、今年度の冬のボーナス支給額を夏季から 2.5%アップで支給とすることを発表した。コロナ禍で多くの住宅メーカーも売り上げ減となる中、同社は業界内でもいち早く対コロナ施策をとったことで、顧客からの支持を得、上期の業績が好調に推移したようだ。しかも、半年前の夏季ボーナスも前年対比 11%アップだったというから驚きだ。

 ちなみに同社は先日発表された「ホワイト企業アワード コロナ対策部門」 も受賞している。顧客への配慮だけでなく、従業員の安全にも配慮したホワイトな施策が功を奏したようだ。

 アキュラホームだけに限らず、この非常事態の中でもボーナスを増額している企業を参考にすれば、今回マイナス支給となってしまった企業も、回復の糸口が見えてくるのではないだろうか。

 いつもよりも少し寂しいムードの漂う年末年始になりそうだが、 国民が一致団結してこの第3波を乗り越え、来年の夏のボーナスは今期のマイナス分を取り戻すくらい、経済がV字回復することを期待したいものだ。(編集担当:藤原伊織)

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