【注目銘柄】大伸化学は4期ぶり最高純益更新を見直し割安株買いが再燃し反発

2020年12月17日 09:43

 大伸化学<4629>(JQS)は、前日16日に5円高の1486円と反発して引けた。今年10月23日に今2021年3月期業績を上方修正し、通期純利益が、4期ぶりに過去最高更新と予想されたことを見直し、割安修正買いが再燃した。新型コロナウイルス感染症拡大の「第3波」で、「GoToトラベル」が全国一斉に停止されたことや前日に東京都の新規感染者が678人と過去最高を更新したことも、同社の除菌・洗浄剤の需要が拡大、業績が前期と同様に上ぶれて着地すると期待し買い手掛かりとなっている。

■除菌・洗浄剤の売り上げが拡大し自動車関係も回復傾向

 同社の今2021年3月期予想業績は、第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計業績とともに通期業績が上方修正された。このうち3月期通期予想業績は、期初予想より売り上げを4億8900万円引き下げ255億1100万円(前期比9.1%減)と連続減収となるが、逆に営業利益を5億4200万円、経常利益を5億4400万円、純利益を3億8300万円それぞれ引き上げ、営業利益17億1200万円(同11.3%増)、経常利益17億4400万円(同10.6%増)、純利益11億8400万円(同6.8%増)と連続増益率を伸ばし、純利益は、過去最高の11億6900万円(2017年3月期)を4期ぶりに更新する。売り上げは、原油価格やナフサ価格の低水準推移で販売価格が低下して伸び悩むが、利益は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大でエタノール製品の売り上げが堅調に推移し、自動車関係などの製品出荷も回復方向となり、一部原料が低水準で推移し効果的な原材料購入を進めたことなどが寄与した。

 なお3月通期予想の上方修正幅は、2Q累計業績の上方修正値をそのまま下期の期初予想値に上乗せするだけにとどめている。前期業績も、昨年10月25日に2Q累計業績と3月期通期業績を同時に上方修正し、通期業績はこの上方修正値を上ぶれて着地し、配当を特別配当7円を上乗せして年間37円(普通配当30円・特別配当7円、前々期実績30円)としており、再現期待を高めている。今期配当は、普通配当では年間32円と増配を予定しているが、この配当異動も注目される。

■PER5倍、PBR0.5倍のバリュー株妙味を手掛かりに高値再チャレンジ

 株価は、年初のコロナ禍発生で同社の業務用の食材加工設備や調理機器などの除菌・洗浄剤「クリーン&リフレッシュ75」の需要拡大期待に前期第3四半期(2019年4月~12月期)の高利益進捗率業績がオンして年初来高値1705円をつけた。この反動安で同安値1097円まで調整したが、今期第1四半期(2020年4月~6月期)の好決算で1484円、10月の今期業績上方修正で1700円と上値を伸ばし、足元では25日移動平均線での値固めを続けている。PERはわずか5倍台、PBRは0.52倍とバリュー株妙味満載となっており、年初来高値奪回に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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