【注目銘柄】アゼアスは業績上方修正と防護服生産設備拡張を見直して反発
2020年12月15日 08:59
アゼアス<3161>(東2)は、前日14日に7円高の807円と反発して引けた。今年11月26日に発表した今2021年4月期業績の上方修正と12月9日に発表した防護服の生産設備拡張を見直し割り負け訂正買いが再燃した。新型コロナウイルス感染症の新規感染者や重症者が過去最高を更新し、医療体制の逼迫からついに「GoToトラベル」の全国一斉停止が決定され、加えて西日本地方を中心に鳥インフルエンザが大量発生し殺処分が続いていることも、防護服需要の拡大につながるとして追撃材料視されている。
■感染対策資材の確保で安定供給を推進し売り上げが想定上回る
同社の今2021年4月期予想業績は、今年9月に第2四半期(2020年5月~11月期、2Q)累計業績を上方修正したあと、11月26日にその2Q累計業績を再上方修正するとともに、4月期通期業績を上方修正した。売り上げを期初予想の据え置きとしたものの、営業利益を1億9700万円、経常利益を1億9400万円、純利益を1億1500万円それぞれ引き上げ、売り上げ97億1100万円(前期比2.3%減)、営業利益3億9700万円(同14.7%減)、経常利益4億7400万円(同0.5%減)、純利益2億9100万円(同7.9%減)と減益転換率を縮小させる。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大で、防護服を中心とする感染対策用資材の需要が短期的に急拡大し需給バランスが大きく崩れるなか、原材料及び商品の確保に努めて安定供給に注力、防護服・環境資機材の売り上げが想定を上回り、コロナ禍で営業活動が制約され営業関連経費が減少したことなどが要因となった。前期業績も、豚コレラの断続的な発生で封じ込め作業用に防護服需要が拡大して上方修正されており、今期も、足元の新型コロナ感染症の感染再拡大や、西日本中心に鳥インフルエンザが発生し、大量のニワトリが殺処分されて防護服需要が増加することも想定され、業績再上方修正の可能性もある。
なお防護服・衛生マスクの生産設備拡張は、同社のアゼアスデザインセンター秋田(秋田県大仙市)に約6億3000万円を投資、2022年5月に稼働開始を予定しており、防護服・マスク供給に対する社会的な要請に対応する。
■75日線出没の三角保ち合いが煮詰まり上放れてまず3分の1戻し
株価は、年初来安値591円から新型コロナウイルス感染症関連の防護服人気で再三再四のストップ高を交えて上場来高値1995円まで買い進まれて3.37倍化した。同高値後もストップ高、ストップ安を繰り返して下値調整、今期2Q累計業績の上方修正でも減益業績は変わらずとして684円安値に突っ込み、11月に入って新型コロナウイルス感染症が再拡大し鳥インフルエンザも発生したことで882円までリバウンドするなど、75日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。PERは15倍台、PBRは0.80倍と割り負けており、保ち合いを上放れまず最高値からの調整幅の3分の1戻しとなる今年6月以来の1100円台を奪回しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)