今さら聞けない!? クリスマスに関する英単語を覚えよう!
2020年12月15日 08:40
アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアといったキリスト教徒の多い英語圏では、クリスマスは最も重要な年中行事だ。日本でも年末のイベントに定着して久しいが、日本人には馴染みのない習慣も多い。
ここではクリスマス関連の英単語をあげながら、英語圏におけるクリスマスについて簡単に解説したい。
■クリスマスの呼び方と期間
英語で「クリスマス」を意味する単語は、Christmasだけではない。フランス語に由来するNoelや、ゲルマン民族の祭りを指したYuleという単語も、クリスマスを指すのに使われる。特にNoelはクリスマスの祝歌Christmas carolの意味でも用いられるので覚えておきたい。
クリスマスの期間は、狭義にはChristmastide、すなわち12月24日の日没(主の降誕の前夜)から1月6日(Epiphany公現祭)の日没までである。
しかしキリスト教会では、クリスマスの4つ前の日曜日から「待降節」Adventと呼ばれるクリスマスの準備期間に入る。小売店の商戦もこのころから活発になり、年末年始のバーゲンまで含めて、一般的に11月下旬から1月初旬までが「クリスマス・シーズン」Christmas seasonである。
近年、英語圏ではキリスト教以外の宗教の住民が増えたため、キリスト教色の強い「クリスマス・シーズン」という言葉を避けることが多い。
これに代わる呼び方にはholiday seasonがあり、さらに省略してthe holidaysという場合もある。また北半球ではwinter holidays、南半球ではsummer holidaysもクリスマス・シーズンの意味で使われている。
■行事や飲食物
英語圏のクリスマス・シーズンは日本のお盆やお正月と同様に、別々の地域に住んでいる家族や親戚が集まる季節でもある。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で親族の集まりさえ制限される国が多く、まことに心の痛むところである。
例年であれば各家庭は客を迎えるため、デコレーションdecorationsで家を飾り付ける。飾り付けに使われる植物は、西洋ヒイラギholly(「ハリ」と発音する)、ヤドリギmistletoe、ポインセチアpoinsettiaがメインである。
これに加えて欠かせないのがクリスマス・ツリーChristmas treeにベルbellやキャンドルcandleだ。ツリーの頂点などに飾られるクリスマスの星Christmas starも忘れてはいけない。
食べ物についていえば、天使や星などの形の手作りクッキーを焼く家庭が多い。紅白縞模様の杖型の砂糖菓子・キャンディケインcandy caneもこの時期に欠かすことのできない風物の1つである。
ここでアメリカ英語のcandyは、チョコレートも含めて砂糖を固めた菓子一般を指す適用範囲の広い単語であることに留意されたい。
クリスマス・シーズンに食べるケーキChristmas cakeは、干し果物の入ったフルーツケーキfruitcakeが欧米では主流である。アメリカでは感謝祭の日Thanksgivingに定番の、カボチャのパイpumpkin pieも、クリスマス・シーズンによく食される。
一方イギリスでは、干しブドウなどを入れた濃厚な味のプディングplum puddingがクリスマス・ケーキにあたる。
この時期の飲み物としては、アルコール飲料やソフトドリンクに砂糖や香料などを混ぜて独特の味付けを施したパンチpunchを、まずあげることができる。
またエッグノッグeggnogという、卵、牛乳、砂糖にラム酒かブランデーを混ぜた、カスタードクリームのような味がする不思議な飲み物もある。好き嫌いが分かれるが、アメリカではクリスマス前後にパックに入った出来合いがスーパーに並ぶほどの人気だ。
■クリスマス・プレゼント
欧米でクリスマスにプレゼントを贈る習慣は、子どものいる家庭ばかりでなく、職場などでも広く見られる。特に子どもから大人まで、大きめの靴下stockingにちょっとしたプレゼントを入れて贈ることが多い。このためstocking stuffer(靴下に入れるのに適した小さなギフト)という言葉まである。
クリスマス・プレゼントといえばサンタクロースSanta Claus。サンタのソリの鈴sleighbellsも、英語教師が必ずあげるクリスマス関連の重要単語の1つだ。
さてサンタのソリを引くトナカイreindeerであるが、これは9頭でそれぞれに名前がある。すべてあげると、Dasher、Dancer、Prancer、Vixen、Comet、Cupid、Donner 、Blitzen、Rudolph。元来はBlitzenまでの8頭であったが、20世紀半ばころに赤鼻のトナカイのルドルフを加えることが定着した。
プレゼントと関連して、クリスマスの翌日、すなわち12月26日を指すBoxing Dayというイギリス英語独特の表現も覚えておきたい。19世紀に郵便配達人や使用人などにクリスマスの贈り物を与える習慣があったことから生まれた語だ。
動詞としてのboxには「箱に入れる」という意味もあり、box upという連語で使うことが多い。12月3日付(現地時間)ワシントン・ポスト電子版に掲載された、クリスマスプレゼントの郵送に関する記事のタイトルから例文を引用しておく。
Here are tips from the pros on how to box up your items properly.
訳例:プロが教える正しい箱詰めのコツ(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)