オーバル、アインHD、デンソーなど/本日の注目個別銘柄

2020年12月4日 16:00


<6902> デンソー 5733 +413大幅続伸。ゴールドマン・サックス証券では投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、コンビクション・リストに新規に採用とし、目標株価も4300円から6500円に引き上げた。電動化に対応したインバーターの拡販、先進安全製品のADASの拡販などにより、他の部品メーカーを上回る潜在的な台当たり成長力を有すると考えているもよう。とりわけ、電動化によるインバーター事業の成長が目覚ましくなるとみている。

<4188> 三菱ケミHD 636.3 +38.5大幅反発。エチレン設備やポリオレフィンなどの石油化学事業について、ENEOSと事業統合に向けた協議に入ったと一部で報じられている。両社出資で合弁会社を設立することが有力視されているもよう。コスト低減などのシナジーにつながるとして、期待感が先行する展開のようだ。なお、EV関連銘柄の人気化傾向が強いなか、負極材、電解液、セパレーターなどの電池材料を手掛けていることも買い妙味に。

<7727> オーバル 288 +56急伸。本日もEV関連銘柄の人気化が継続するなか、同社など燃料電池自動車関連にも物色の矛先が向かう展開になっている。前日の報道では、経済産業省が2030年代半ばに国内の新車からガソリン車をなくし、すべてを「電動車」にする目標を設ける方向で調整と伝わっている。この「電動車」には、ハイブリッド車や電気自動車などのほか、燃料電池車も含まれるとされており、関心が高まる流れとなっているようだ。

<4922> コーセー 16680 +600続伸。SMBC日興証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も13200円から17200円へ引き上げている。国内では他社に先がけて利益改善が進むとみられるほか、海外は中国を中心に利益成長余地が大きいとし、セクター内で最も利益回復確度が高いと判断しているもよう。国内はコスト構造改革、海外はデコルテの刷新による中国での拡販に期待としている。

<2722> アイケイ 914 -34大幅続落。本日から東証1部へ指定替えとなっており、同時に本日は公募株式の受渡期日ともなっている。発行価格は925円であり、同水準を割り込んで見切り売り圧力も強まる状況に。前日には11月の月次動向も発表、売上高は前年同月比14.8%増と9カ月連続でのプラス成長となっているが、前月の同57.4%増と比較すると伸び率は低下しており、目先の出尽くし感につながっているようだ。

<4755> 楽天 1040 -82大幅続落。NTTドコモでは前日に、20ギガバイトのデータ容量で月2980円の新プラン「アハモ」を21年3月に開始すると発表している。同社プランと同様の価格水準となっており、価格優位性の低下が意識される状況となっている。後発であるため携帯基地局の不足が劣勢につながっていき、業界内では最も影響を受けるとの見方もあるようだ。なお、本日はKDDIやソフトバンクなども売り優勢に。

<8871> ゴールドクレ 1565 +74大幅続伸。前日に発表した自社株買いの実施が買い材料となっている。発行済み株式数の2.84%に当たる100万株、20億円を取得上限とし、12月4日から21年2月28日までを取得期間としている。株主還元の充実や資本効率の向上を目的としているようだ。当面の需給面での下支えにつながるとの見方になっている。同社の自社株買い実施発表は16年12月以来となる。

<3696> セレス 3175 +165大幅反発。ライブ配信拡張ツール「Doneru」の運営を行うZEROUMと資本業務提携したと前日発表。好感材料とされた。Doneruはライブ配信サービスにおいて、配信者がライブ画面をカスタマイズできる拡張機能を提供し、視聴者が配信者への投げ銭を気軽にできるようにすることなども可能という。今回の提携で、同社が運営するポイントサイト「モッピー」とのポイント連携準備を進行させ、今後の展開への期待感に。

<9627> アインHD 6220 -830大幅反落。前日に上半期の決算を発表、営業利益は39.3億円で前年同期比53.0%減益となり、従来予想の42.8億円をやや下回る着地になっている。また、通期予想は従来の146億円から92億円、前期比42.7%減に下方修正している。当初7月までと想定していた新型コロナの影響が長引いているようだ。予想以上の収益回復の遅れをネガティブ視する動きとなっている。

<5943> ノーリツ 1683 +91大幅続伸。前日に20年12月期業績修正を発表。営業利益は従来予想の28億円から42億円、前期比56.0%増に上方修正。売上高は見込みを下回るものの、不採算分野である住設システム分野からの撤退、希望退職の実施など固定費・変動費の削減策が奏効する形になった。第3四半期まででも収益水準は回復していたが、需要期となる第4四半期の収益拡大基調継続が確認されたことをプラス視する動きになった。《ST》

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