エンプラス、ショーケース、ラクーンHDなど/本日の注目個別銘柄
2020年12月1日 16:16
<3031> ラクーンHD 1964 -211大幅反落。前日に上半期の決算を発表、営業利益は6.6億円で前年同期比81.4%の大幅増益となり、通期予想のレンジ上限値12.7億円に対する進捗率は52%に達している。EC事業、フィナンシャル事業ともに大幅な増益となっている。ただ、第1四半期も前年同期比ほぼ倍増の水準となっていたため実績数値のサプライズは限定的、期待感は強く反映されていたため、短期的な出尽くし感が優勢となる形に。
<3909> ショーケース 900 +150急騰。AI inside<4488>との資本業務提携を発表。AI insideに対して第三者割当増資を行う。AI insideは独自開発の高精度文字認識AIを用いたAI OCRサービス「DX Suite」を主力製品とし、12700契約以上の実績を誇る。提携による今後のシナジー効果などを期待した動きに。なお、177万1100株を割り当てることで、AI insideは持株比率で筆頭株主に。
<5801> 古河電工 2822 +178大幅反発。野村證券では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に、目標株価も2580円から3520円に引き上げた。足元の北米光ケーブルの操業が安定し、一段の業績悪化リスクの軽減が確認できたこと、米国のRural Digital Opportunity Fundによる恩恵が想定以上に大きいと判断したことを評価引き上げの背景としている。22年3月期営業利益は245億円までの回復を予想している。
<6472> NTN 236 +18大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も200円から350円にまで引き上げている。バリュエーションの割安感からダウンサイドリスクは小さい一方、事業再生計画奏功時のアップサイドは大きく、投資魅力が大きいと判断しているようだ。21年3月期営業利益は市場コンセンサスの150億円を上回る206億円を予想している。
<3853> アステリア 1172 +77大幅反発。モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」を松屋が採用したと前日に発表している。松屋はPlatioを導入して、ノーコードで独自の衛生管理のための「食品表示チェックアプリ」を2日で作成したようだ。26日には明治安田生命保険が出席型バーチャル株主総会ソリューションを採用したとも発表しており、同社製品の相次ぐ採用発表に評価の高まる展開となっている。
<6191> エアトリ 1304 +77大幅反発。前日に21年9月期の業績上方修正を発表。営業利益は従来予想の3億円から3.9億円に増額、前期は87.6億円の赤字だった。Go Toトラベルを追い風に、エアトリ旅行事業の国内領域において収益及び利益が想定以上に回復しているほか、新たに開始したヘルスケア事業も順調に立ち上がって収益に貢献したもよう。11月13日に業績見通しを公表したばかりであり、早いタイミングでの上方修正が好感された。
<6504> 富士電機 3460 -250大幅反落。半導体製品の不具合問題で複数の納入先との和解が成立、損失額が現時点で103億円になると発表している。13年7月から19年6月までに製造した一部のパワー半導体において、部品に不具合が見つかり、使い方次第では故障などが起きていたもよう。103億円のうち21億円は上半期決算に計上しているようだ。今期純利益予想は275億円見込みであり、損失額は想定よりも大きいとの見方になっている。
<6961> エンプラス 3205 +376大幅反発。発行済み株式の4.35%に当たる50万株、15億円を上限とする自社株買いの実施を発表している。取得期間は12月1日から21年3月31日までとしている。11月17日から11月26日にかけて12.5億円の自社株買いを実施したばかりであり、矢継ぎ早の自社株買い実施にポジティブな反応が強まっている。当面の需給下支えとして期待されているほか、積極的な株主還元姿勢も評価する流れに。
<6098> リクルートHD 4273 -127大幅続落。大株主8社が政策保有株を最大9472万株売り出すと発表。発行済み株式総数の約5.59%に当たる規模となり、金額ベースでは19年8月の売出規模を上回る可能性も。これまでも持ち合い解消売り圧力は強いとされてきたが、短期的な需給悪化を警戒した動きに。売出価格は12月2-3日の終値を基準に算出するもようで需給悪化緩和のため、最大700億円、2000万株を上限とした自社株買いも発表した。《ST》