究極のFRピュアスポーツ「SUBARU BRZ」に安心付加価値を融合した新型
2020年11月22日 17:11
SUBARUは、新型「SUBARU BRZ」(米国仕様車)を世界初公開した。初代BRZは、この7月に販売店での注文受付を終了し、トヨタの「86」も12月で終了すると噂に昇り、コンパクトFRスポーツの命運も尽きたか、と思われていた矢先の発表である。
発表となった新型BRZも、トヨタ自動車との業務提携で掲げる「もっといいクルマづくりの追求」の取り組みを通じて、共同開発したクルマだ。
BRZは、水平対向エンジンを搭載したFWDのピュアスポーツカーだ。2012 年に発売した初代モデルは、「低重心」「軽量」「コンパクト」というメリットを持つ水平対向エンジンの特徴を活かし、低い位置に搭載することで、世界トップクラスの低重心による優れたハンドリング性能を実現した。
初公開した新型「SUBARU BRZ」は、初代モデルが提供してきたスポーツカーの走りの愉しさをさらに充実させ、ユーザーに安心感をもたらす新たな価値を加え、誰もが愉しめるスポーツカーとして、全方位に大幅な進化を遂げたとしている。
新型は初代モデルから排気量を拡大した2.4リッター水平対向4気筒エンジンを搭載。最高出力228hp、最大トルク249Nmを発揮する。徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によって、トルクは15%向上。滑らかに高回転まで吹け上がるレスポンスの良さ、スポーツカーらしいフィーリングとともに、力強い加速をもたらす。
6速AT搭載車は、SPORT モードの制御が進化。クルマがスポーツ走行中と判断した際には、ドライバーの意思や操作に応じて、最適なシフト操作を自動的に行ない、よりダイレクト感のあるコーナリングを可能にする。
ボディには、スバルグローバルプラットフォームの開発から得たノウハウを取り入れ、インナーフレーム構造や構造用接着剤などを採用。ボディを再構築して、初代モデルに対しフロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大きく向上させたのも特徴だ。ステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能を向上させた。
軽量化も進められた。ルーフ、フード、フロントフェンダーの素材に軽量なアルミを採用。エンジン出力向上や安全性確保に伴う重量増を抑制しながら、前後左右重量の適正化、さらなる低重心化を実現しているという。ボディ寸法は変わらずコンパクトで、全長×全幅×全高167.9×69.9×51.6inch(4264×1775×1310mm)、ホイールベース101.4inch(2575mm)と発表された。(カッコ内は筆者計算値)
18インチアルミホイール装着車「Limited」には、215/40R18 ミシュラン パイロットスポーツタイヤを装備。優れたコントロール性能と応答性能で、走りの愉しさをさらに引き上げた。
安全面の強化も抜かりはない。BRZとして初となる運転支援システム「アイサイト」をAT車に標準装備。プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールが、安心で快適な移動をサポートする。また、高張力鋼板の採用拡大などによりボディ剛性を高めるとともに、各種エアバッグをはじめとする乗員保護システムを強化。衝突安全性能を向上させた。
新型BRZは、2021年秋に米国販売を開始するという。(編集担当:吉田恒)