アークス、栃木の食品スーパー・オータニを子会社化へ 関東に進出
2020年11月18日 12:24
札幌市に本社を置き、北海道と東北地方でスーパーを展開するアークスは、栃木県を中心に食品スーパーを展開するオータニを完全子会社化し、関東地方へ進出する。両社間で経営統合に関する基本合意が成立しており、今後経営統合に向けた詰めの交渉を進めて2021年1月に最終契約を結び、3月1日付で経営統合する。
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アークスは、価格競争が激しいスーパー業界で全国資本に対抗するには、地域密着型のスーパーが連合を組む必要があるとして、同業に対するM&A(合併・買収)を繰り返してグループの規模を拡大してきた。店舗運営は子会社化したスーパーの自主性に任せ、資本関係はあっても緩やかな連携の形を取って全国資本に対抗している。
現在は北海道と東北に子会社9社を抱え、合計343の店舗を運営している。本拠地は北海道だが、2011年に東北を地盤とするユニバース、2019年に宮城県の伊藤チェーンを傘下に入れ、本州を南下してきた。
2018年には中部地方のバローホールディングス、中国・九州地方のリテールパートナーズと資本業務提携を結んで新日本スーパーマーケット同盟を発足させ、地方の有力スーパーに連携を呼び掛けている。
オータニは1946年の創業で、1982年に株式会社化した。栃木県を中心に食品スーパー31店を経営し、過去3年間は287~303億円の売上高を記録している。コロナ禍でライフスタイルの変化などこれからの消費動向に不透明な点が残るとして、営業基盤と企業体質を強化するために、アークスとの経営統合に踏み切った。
今後はアークスグループが持つ商品調達力や店舗運営力、情報システムなどをフル活用し、消費者の低価格志向をこれまで以上に反映できる店舗づくりを推進する。
アークスはオータニとの経営統合により、関東に初めて拠点を築くことになり、北海道、東北から北関東まで続く東日本エリアの食品流通企業グループを形成する。今後はこの規模の力も生かし、全国資本やドラッグストアなど異業種との競争に臨む。(記事:高田泰・記事一覧を見る)