投資に役立つROEとROA
2020年11月7日 09:37
●ファンダメンタルズ分析に必要なROEとROA
企業の財務状況や業績などで判断し、企業の価値を分析するのがファンダメンタルズ分析である。株式投資においては、企業の価値に対して株価が割安かどうかを判断するために欠かせない分析方法である。
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短期売買ならチャート等で判断するテクニカル分析を重視するだろうが、長期売買ならファンダメンタルズ分析を重視するだろう。
その中でも、大事な指標がROE(自己資本利益率)とROA(投資利益率)となる。
●ROEとROAとは?
ROEは株主資本利益率という言い方もされる。当期純利益を自己資本(株主資本)で割って算出する。株主資本は株主が出資した資本を指す。また、PBR/PER×100(%)で算出することもできる。
企業が株主から集めたお金から、いかに効率よく利益を出しているかを見ることができる。
ROAは純資産利益率とも言われ、利益を資産から負債を引いた純資産で割って算出する。企業がいかに純資産を活用して利益を上げているかを計る指標である。
ROAは、負債を抱えて効率よく利益を上げている場合でも数値が高くなる。
●ROEとROAの目安は?
東証1部上場企業のROEは、平均で6.7%(2019年度)である。目安は10%と言われているが、アベノミクスの企業統治改革では8%としていた。
ただし、業種によってばらつきがあるので注意が必要だ。製造業のような設備投資が必要な業種は、資本に対して利益が小さくなりがちでROEは低くなり、逆に設備投資を必要としないサービス業はROEが高くなりやすい。
日本企業は欧米の企業に比べると内部留保が大きいため、ROEが低い傾向がある。
ROAは5%以上なら優良企業と言われている。
ROAは、新規事業や設備投資で金融機関から借入れているときは低くなりやすく、借入金を順調に返済している過程なら上がる。
ROEとROAは、PERやPBRのように単純に利益や純資産だけで判断する指標ではなく、企業の効率性を判断することができる。ROEやROAが高い割に、株価が低いなら割安株(バリュー株)と言えるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)