NASA、月面での荷下ろしソリューションを募集

2020年11月3日 09:01

headless 曰く、 NASAが2024年に人類を再び月へ送るアルテミス計画に向けて、月面で貨物輸送機の着陸機から荷下ろしをするためのソリューションをHeroXで募集している(NASAの告知募集要項SlashGearの記事)。

荷下ろしシステムは自律的または半自律的に動作し、大きさの異なるペイロードや民間着陸機に対応する柔軟性が求められる。大気がない、温度変化が激しい、重力が小さいといった点や、摩耗性のある塵や平坦ではない地形などへの配慮も必要だ。技術的成熟レベル(TRL)は3~4になると見込まれるが、より低いTRLも許容される。また、重要なインフラから離れた地点へ着陸するため、利用地点への運送能力搭載も望ましい(必須ではない)。このほか地球帰還機への積み込みや、クルーによるオーバーライドを可能にするオプションも望ましいとのこと。

ペイロードの大きさは重量別に2t未満・2~8t・8~12tという3つのクラスに区分される。荷下ろしシステムはペイロードに含めて着陸機で月面に送ることになる。そのため、荷下ろしシステムは打ち上げ機のペイロードフェアリング内に収まる(直径5~8m、重量3~5t)必要がある。何度も繰り返し使用できるシステムであればペイロードの大半を占めてもよく、コストを正当化できるだけのシステムならより大きな着陸機で送る可能性もある。逆に小さければ毎回送るという方式も認められる。

募集は18歳以上の個人またはチームが対象で、米政府による制裁の対象になっていない国の出身者であれば国籍は問わない。賞金総額は最高25,000ドル。1位が最高10,000ドル、2位(2名/チーム)が各最高4,500ドル(合計9,000ドル)、3位(3名/チーム)が各最高2,000ドル(合計6,000ドル)となる。締め切りは東部時間2021年1月19日17時(日本時間20日7時)、1月19日から3月9日まで審査が行われ、3月16日に受賞者が発表される。

現在の地球における輸送システムは規模が大きく、月に持っていくのは容易ではない。NASAでもいくつかのコンセプトやプロトタイプを開発しているが、コストや大きさ、シンプルさといった面で最適化されていないという。将来的には月面での輸送システムを拡大する計画だが、その前に一般からのアイディアを募集することで、将来の開発の方向性を示すとのことだ。

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