次回代替まで考えた車選びのポイントは

2020年10月30日 14:42

 新車を購入して、乗りつぶす主義の人以外は、次の車に代替えする際のことも想定しておくのが良い。

【こちらも】車のボディ、手入れの話いろいろ

●中古車購入者の立場も考えて

 車が寿命を迎えるまで、つまり「市場価値が無くなる」まで乗らないのなら、代替え時には今まで乗っていた車は「下取り」に出されるのが一般的だ。

 新車ディーラーの査定価格が不満で、一般「買い取り」業者に引き取って貰うケースも、ここでは同じことになる。つまり、「下取り車」又は「買い取り車」に残存価値があるのなら、その車は「中古車」として販売される。

 だから、「中古車を購入する立場」になって、新車購入の際にいろいろ考えて、グレードやボディカラー、オプション装備を選んでおこう。

●ボディカラー

 ボディカラーは、特別に好きな色が無い場合は、メーカーが「シンボルカラー」としてカタログに採用している塗色が無難だ。但し、時々突拍子もない色がシンボルカラーに設定される場合があるので注意が必要だ。

 かつて、トヨタがクラウンにピンク塗色のモデルを発売した。賛否両論があり、当初は否定的な意見が多かったが、大方の予想に反して好評を博した(写真1参照)。

 個人タクシーがこの塗色のまま、営業しているのも見かけたことがある(写真2参照)。
 
 この場合は、「ピンク」は人気色であったと考えるべきだろう。

●迷ったら「白」「黒」「シルバー」

 カタログのイメージ塗色があまり好みで無かったら、近頃は「白」「黒」「シルバー」の3色で大きな割合を占めるので、これを選ぶと良い。

 一般に好まれる塗色が、中古車市場でも人気があり、中古車販売店にも歓迎されるからだ。

 昔、1960~70年代は、「黒」は基準価格から10万円程度減額されたが、最近は軽自動車にまで多く採用され、人気色になっている。

 この3色のうち、どれでも良いなら、薄暮の時間帯の視認性に関する安全性からは「白」>「シルバー」>「黒」の順で、明るい色の安全性が高くなる。

●グレードと装備品

 グレードは予算が許すなら、最上級グレードが望ましい。普段乗っている時にも満足が得られるし、中古車になっても上級グレードの方が売れ易い。

 新車でオプションのサンルーフを選ぶと、結構な金額が加算される。しかし、サンルーフ付きの中古車なら、同年式、同程度の車の中で少し割高でも選ばれ易い。

 結果的には、新車時の追加オプション価格分は取り戻せないが、サンルーフで得た満足度が一部回収可能となり、中古車業者の立場では、在庫回転効率が良いと買い取りり価格に上乗せが可能となる。

●在庫期間が下取り価格に反映される

 中古車展示場は自前の土地で営業している店より、借地で営業している店の方が多い。

 地主としては、コインパーキングや月極駐車に流用する場合より、中古車業者に一括賃貸する方が、賃料が安いのは事実だが、借地で営業している中古車業者は、結構な地代を払っている。

 或る都市の、月極駐車場の相場が2万円程度だと仮定する。(実際には、中古車展示場は街道沿いにあるので、相場はさらに高い筈だが)

 同じ車種、同じ年式で、走行距離も大差ない2台の車が展示場にあった場合、例えばボディカラーが人気色と不人気色なら、当然、不人気色の車が売れ残る。2カ月居座れば4万円、2カ月半なら5万円の「地代」相当分が、余計なコストとなる。

 そんな訳で、中古車業者は売れ足の速い、人気色、一般受けするオプション装着車には、より高い査定金額を付けることになる。

 新車購入時に、もう次の新車購入を念頭に、塗色やオプションを選定するのもどうかと思われるが、「自分が大好きな不人気色」を選ぶか否かも含めて、一考するのが得策だろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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