キヤノン、2.5億画素の超高解像度および0.0005luxに対応した低照度CMOSセンサー発表
2020年10月21日 20:45
キヤノンが約2.5億画素という超高解像度CMOSセンサーと超高感度CMOSセンサーの2種類の製品を発表した。約2.5億画素のCMOSセンサーにはカラーモデル「LI8020SAC」とモノクロモデル「LI8020SAM」の2種類が用意されている。センサーサイズは29.35×18.88mmのAPS-Hサイズとなっている。1画素のピッチは1.5μmとなっており、有効画素数は19568×12588ドット。フルHDの約125倍、4Kの約30倍という超高解像度での撮影が可能となっている(キヤノンリリース、LI8020SACデモ動画)。 4K・8K向けのディスプレイ検査や映像制作、顕微鏡と行った用途やトリミングしても十分な情報量が得られることから、広域監視などの分野にも利用できるとしている。任意の領域だけを読み出すROI(Region of Interest)読み出し機能を持っており、7,680×4,320ドットの8K解像度の場合は24fps、3,840×2,160ドットの4K解像度では30fps、1920×1080ドットのフルHD解像度では60fpsでの動画撮影が可能となっている。 超高感度CMOSセンサーもモノクロモデルの「LI3030SAM」とカラー・近赤外線対応モデルの「LI3030SAI」の2種類の製品が用意されている。1画素のピッチは19μmと非常に大きくなっており、解像度は2,160×1,280ドット。センサーサイズは41.04×24.32mmで35mmフルサイズ相当となっている(キヤノンリリース、LI3030SAMデモ動画)。 モノクロモデルでは、0.0005luxという低照度であってもモノクロ動画の撮像が可能。リリースによれば、満月の夜の明るさの目安が0.3luxほどで三日月の月明かりの明るさの目安が0.01luxほどであるという。近赤外線域域の感度が大幅に向上しているのが特徴で、デモ動画にあるように、ろうそくの明かり程度でも20m以上も先にある鍾乳洞の天井の様子などを撮影できるとしている。天体観測や夜間の動画撮影に適しているという。 カラーモデルでは、0.001luxの低照度に対応。一つのセンサーでカラー動画と近赤外線動画を同時に得られる点が特徴となっている。夜間でのモニタリングや防犯用途、生体内組織の撮影といった用途にも利用できるとしている。いずれの製品も10月下旬に発売される予定。