英語で考える習慣を付けるためのトレーニングと必要な心構えとは?

2020年10月21日 16:26

 英語で考えるためには、頭の中で翻訳するクセをやめなければならない。しかし、それはそう簡単なことではなく、前提として発音や文法など基本を身につけたうえで、大量に英語を聞くことからスタートする。

【こちらも】「英語で考える」を実現するには大量のリスニングからスタートすべき理由

 意味を取ろうと無理に努めず、とにかく大量の英語を聞く段階がパッシブ・リスニングであり、そうやって英語に耳が慣れてきたらアクティブ・リスニングへと進む。アクティブ・リスニングとは、文字通り英語に対してアクティブな姿勢で臨むことだ。未知の単語やイディオムに出会った時は立ち止まってすべて調べるぐらい徹底したい。

■リスニングからディスクライビングへ

 アクティブ・リスニングをしばらく続けると、耳で聞いて日本語を介さずに理解できる英語が増えてくる。ここまできてようやく英語で考えるトレーニングのための素地ができたと言える。では、ここから「ディスクライビング」の練習を始めよう。

 「ディスクライビング」とは、「describe」の現在分詞、「describing」のことであり、文字通り対象を描写・説明することを示す。英語で考えるようになるには、実際に英語でものを描写できることが前提だ。手始めに自分の行動を英語で描写することから始めてみよう。

 自分の行動を、マニュアルを読み上げるようなつもりでシンプルに描写するのがコツだ。複雑なことを表現しようとしなくてよい。「朝、目が覚めた」と言いたいのであれば、”I woke up.”でよいのだ。

■わからないことはその場ですぐに調べる

 「自分の日常を英語にしてみよう」というやり方は別に目新しい方法ではなく、今まで多くの人が提唱している。興味がある人は、『起きてから寝るまで英語表現1000』シリーズ(アルク)などの書籍を参考にしてみるのもよい。ただ、ここで強調しておきたいのは、やると決めたら徹底して行うということだ。

 いざ英語で自分の行動を描写しようと思っても、ほとんどの人はすぐに言葉が詰まる。「こんな簡単なことも英語でどう言えばよいかわからないのか」と愕然とするだろう。ただ、ここで意気消沈している暇はない。わからないことがあった時は、その場ですぐに調べるのだ。

 後で調べようと思っても、「何を調べたかったんだっけ?」となるのがオチなので、思い立った時に即座に調べるのがポイントだ。加えてこれは、英語で考えることを習慣化するためのトレーニングのため、「後でまとまった時間が取れた時にやろう」という考えは捨ててもらいたい。行住坐臥すべてが英語で考えるためのトレーニングという覚悟が望まれる。

 実際にやってみると、特に最初のうちはかなりの苦痛を感じる。意識せずとも勝手に頭に思い浮かぶ母国語を押さえつけ、外国語を優先させようというのは確かに難しい。そのため、ともすればすぐに日本語での思考に戻ってしまう。ただ、ここで踏ん張ってトレーニングを続けることが大切だ。

 最初は苦しくとも、やればやるほど脳にかかる負担が軽くなることがわかるだろう。日常の行動など大半は決まりきったことだから、数日もトレーニングを続ければおよそのことは英語で表現できるようになる。これをきっかけに、いつどこで何をしていても「英語で何と言うか?」と考えるクセを付けるのだ。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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