TIS、企業のデジタルトランスフォーメーション支援により成長を目指す
2020年10月19日 17:46
TISと凸版印刷は12日、万博記念公園で実施される自動運転車両を活用した次世代モビリティサービスの実証において、TISの遠隔コミュニケーションサービスを活用し、凸版印刷のバーチャルキャラクターが乗客に対してガイドを行う、対話型の移動体験型サービスを提供すると発表した。
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TISは1971年、ソフトウエア開発サービスを行う東洋情報システムとして設立され、1973年にオンラインサービスの本格営業を開始。1987年に大阪証券取引所第2部に上場、1991年に東京証券取引所第1部に指定替えとなった。
2008年にインテックホールディングスと共同持株会社ITホールディングスを設立、2008年にITホールディングスがTISを吸収合併し、現在の「TIS株式会社」へ商号を変更した。
2020年3月期の売上高は4,437億円。部門別の構成比は、業務の付加価値化・IT化などにより業務運営の支援を行う産業IT部門が41.3%、金融分野に支援を行う金融IT部門が25.8%、知識集約型ITサービスを提供するサービスIT部門が25.1%、ビジネスプロセスアウトソーシングを受託するBPO部門が6.9%、その他が0.9%を占めている。
国内最大級の14カ所のデータセンターを保有し、情報システムの設計から構築、運用、保守サービスまでトータルに提供する「システム・インテグレーション」を提供するTISの動きを見ていこう。
■前期(2020年3月期)実績と今期見通し
前期売上高は4,437億円(前年比5.5%増)、営業利益は前年よりも68億円増の448億円(同17.9%増)であった。
営業利益増加の要因としては、製造業など幅広い業種のIT投資拡大により産業ITが44億円、金融機関のIT投資拡大により金融ITが21億円、収益性改善効果によりBPOが8億円の増益であった。一方、決済関連ビジネスの先行投資費用の増加によりサービスITが3億円の減益であった。
今期第1四半期(4-6月)実績は、売上高が1,004億円(前年同期比0.6%減)、営業利益が77億円(同4.7%減)の中、今期は売上高4,400億円(前年比0.8%減)、営業利益440億円(同1.9%減)を見込んでいる。
■中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)による推進戦略
デジタル技術を駆使して構造改革を実現し、成長を目指して次の戦略を推進する。
●1.事業拡大、構造改革のための積極的な先行投資
・国内外の決済関連事業者をつなぐ安全、安心、便利な決済サービスを提供するPAYCIERGE(ペイシェルジェ)の推進。
●2.収益性向上のための施策推進、事業ポートフォリオの見直し
・企業のデジタル化を支援するクラウドセキュリティ、データセンター、ネットワークのプラットフォーム事業強化。
・システム開発、アウトソーシング、コンサルティングなど提供リストのレベルアップなどにより受注採算性の強化。
●3.ASEANトップクラスのIT企業連合体を目指した成長戦略
・決済、銀行、企業の統合基幹業務システムを重点領域として、有力企業との資本、業務提携によりASEANでの事業領域拡大。
社会のデジタル化が求められる今、デジタル技術を駆使して社会貢献を目指すTISの動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)