2020年ノーベル文学賞は米詩人ルイーズ・グリック氏が受賞
2020年10月9日 20:47
headless 曰く、 2020年のノーベル文学賞は米国の詩人ルイーズ・グリック氏が受賞した。授賞理由は個別の存在を普遍的なものにする、紛うことなく詩的で飾り気のない美しさを伴う彼女の声(プレスリリース、 書誌および略歴)。
グリック氏は1943年、ニューヨーク生まれ。1968年に詩集「Firstborn」でデビューすると、ほどなく米現代文学界で最も傑出した詩人の一人との評価を得る。作品では家族の生活や関係、子供時代をテーマの中心に据える一方で普遍性を追求し、神話や古典からインスピレーションを得たモチーフが数多くの作品で見られる。そのため、自伝的背景の重要さを否定しない彼女だが、告白詩人とは見なされていない。自身の詩に関し、彼女はエリオットの緊迫感やキーツの心の声を聞く技術、ジョージ・オッペンの沈黙を引き合いに出している。ただし、他のどの詩人よりもエミリー・ディキンソンを想起させるという。
1985年の詩集「The Triumph of Achilles」や1990年の詩集「Ararat」では内外の読者が大きく増加した。彼女は人生の変化を表現するだけでなく、深い喪失感からの大きな変化を表現する詩人でもある。ピュリッツァー賞を受賞した1992年の詩集「The Wild Iris」では「Snowdrops」で冬の後の奇跡的な復活を表現しており、1999年の詩集「Vita Nova」では変化の決定的な瞬間をユーモアや痛烈な既知で特徴付けている。最新(2014年)の詩集「Faithful and Virtuous Night」は全米図書賞を受賞した。作品のいくつかはPoets.orgやPoetry FoundationのWebサイトで読むことができる。